月の騎士の戯言

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zoom RSS 戯言読書録 中間管理録トネガワ

<<   作成日時 : 2016/09/18 20:46   >>

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まさに悪魔的発想の産物っ・・・!





利根川幸雄。通称、利根川先生。
カイジの第1シリーズを読んだことのある人ならば、
忘れるはずのない強烈な印象が残るキャラである。

正論に正論を煮染めたアジテーションで、
人生の落伍者達を徹底的になじり、現実を思い知らせる。
非情な采配にも躊躇なく、金は命より重いと断じる。
カイジと直接戦ったEカードでも、手段を選ばぬ方法で追い詰め、
その戦いの結末後に行った「ある行為」によって伝説となった。


本作は、その利根川先生がカイジと出会う前の話、
船内で行うゲームを立案している頃を描いたパロディ漫画である。

まず本作を最大限に楽しむための大前提として、
賭博黙示録カイジできれば賭博破戒録カイジまで(以下、本編)
を読んでおく(アニメでも可)ことは必須と思われる。

カイジをまったく知らずに偶然本作をいきなり読み、
その後カイジの本編を読んだ人もごく少数いるかもしれないが、
その場合は利根川先生のキャラに若干の違和感を持つだろう。
本編の利根川先生は、この漫画のようなユーモアある
様子は露ほどにも見せないからである。
本編の利根川像が実態であって、本作の利根川先生は
あくまでパロディの存在として分ける必要がある。



しかし、本作をただのパロディと侮るなかれ。カイジ本編を
知っているほど、好きであるほど、クオリティの高さに驚かされ、
本編の利根川先生に心酔し、恐れ戦いたほど、面白い。

第一に、先ほど本編の利根川先生と比較すると違和感がある
と書いた事には矛盾するが、パロディとして分けさえすれば、
それ以外の違和感は一切ない。

絵、セリフ、構成、すべてが本編の雰囲気そのまま、
つまりカイジ第1シリーズ時代の福本伸行漫画を
忠実に再現しているのである。
それもそのはずで、描いてるのは福本伸行氏の
アシスタントを務めていたメンバーかつ、福本伸行氏自身も
全面協力している。だから、本当に細かいところまで
本編ともリンクしていて、納得できてしまう。

パロディとしての面白さは、逐一説明しなくても
カイジ好きで利根川先生を知っているファンであれば、
読めば一目瞭然であることから、以降は割愛する。
2巻の読み切りには大槻班長による孤独のグルメパロディもあって、
これまたシリーズ化して欲しいほど。



さて、パロディとは無関係な、本作の魅力がもう一つ。
『中間管理職』として日々の業務に取り組む利根川先生の姿勢である。
本編でカイジの目線から見れば、悪の組織を束ねる中ボスであり、
威厳たっぷりな振る舞いしか見せない利根川先生だが、
本作では上司(会長)の奔放な言動にひたすら応え、
部下(黒服)の扱いに四苦八苦する、苦労や悩みが存分に描かれている。
いわゆる“中間管理職あるある”の宝庫になっている。


パロディではあるが、本編で飛び出す名言、圧倒的な現実を語った
言葉の裏には、このような背景があったのだと納得するだろう。
思い返せば、利根川先生は本編でも部下に対して理不尽な
仕打ちをするシーンはなかった。ワガママ放題は会長であって、
利根川先生はその要望に応えるために、黒服に率いて指示を出す
役割なのである。だから、利益を回収する対象である債務者たちには
厳しい言葉をぶつけても、部下である黒服達には比較的寛容であった。

仕事に臨むその姿勢は本編だろうがパロディだろうが変わりなく、
読むほどに利根川先生の中管理職としての能力、
つまりマネジメント力を感じざるをえない。
「もしも高校野球の女子マネージャが『中間管理録トネガワ』を読んだら」
「もしマネ」ならぬ「もしトネ」という新しい旋風が起きてもおかしくはない。
いや、おかしいけれども。ともかく十数年前、当時はカイジ達と共に
トネガワ倒せ!の感情で本編を読んだ若者達が、今度は世の苦労
を知ってトネガワ頑張れ!の感情で本作を読めるかもしれない。

夢と希望と大金を求め、債務者になるのも厭わない男。
理想と自我を捨て組織で中間管理職の責務を果たす男。
カイジ、トネガワ、それぞれの社会的構図目線からも楽しめる
素晴らしい人生教訓漫画である。



それでは最後に、本作を福本伸行テイストで紹介して締めとする。



世のブラック会社に告ぐっ・・・!

帝愛を手本にせよっ・・・!




言うまでもなく・・・帝愛はブラック会社だっ・・・!
まごうことなきブラックっ・・・!真っ黒であるっ・・・!
訴えられても仕方ないっ・・・・!周りは敵だらけっ・・・・・!

・・・が・・・・・がっ・・・・・しかしっ・・・・・しかしだっ・・・・!
世に蔓延るブラックとも呼べんクズ会社とは違うっ・・・!
その認識を誤る輩は生涯地を這うっ・・・!


クズ会社は分かっておらんっ・・・!
なぜ会社が大きくならないのか・・・?
なぜ配下の社員が離れるのか・・・?
なぜパワハラだ、セクハラだと騒がれるのか・・・?

奴らは何かにつけてそれを周りのせいにするだろう・・・・
やれ・・・部下の能力が低いから・・・だとか・・・
やれ・・・会社への愛社精神が足りない・・・だとか・・・・
世間が悪いだの・・・法律が悪いだの・・・環境が悪いだの・・・


バカがっ・・・・!
まるで本質を分かっていないっ・・・!

とどのつまり・・・ホワイトだろうが・・・ブラックだろうが・・・
人が集まるところは集まり、栄えるところは栄えるっ・・・!

それがカリスマ性だっ・・・・!
世のクズ会社にはカリスマ性がないっ・・・!
ブラックには、ブラックのカリスマ性が必要なのだっ・・・!

どの世界にヤクザの親分に従わない子分がいるっ・・・!
奴らはみな従うだろうっ・・・!親分に・・・!
それは当然・・・・・至極当然なのだっ・・・・
なぜならば・・・あるからだ・・・ブラックのカリスマ性が・・・・・
ヤクザの社会にはっ・・・!


ククク・・・
しかし諸君らは運が良い・・・・・
圧倒的な幸運っ・・・!ラッキーマンだっ・・・・・!
読めるんだからなっ・・・・!
そういうクズ会社が更正できる聖典っ・・・・!
ブラック会社の理想的教育漫画っ・・・!

『中間管理録 トネガワ』

僥倖ッ・・・!
紛うことなき僥倖ッ・・・!
読み得っ・・・!読み得だっ・・・!

世間の大人がいわないなら俺がいってやるっ・・・・・!
トネガワは良い上司っ・・・!人格者だっ・・・・!

中間管理職で苦しむ諸君らの発奮を期待しているぞっ・・・!
未来はワシらの手の中だっ・・・・!




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コメント(5件)

内 容 ニックネーム/日時
お邪魔します。
この作品の利根川先生は応援したくなりそうですね。
そしてすみません、押すところがズレて「かわいい」を押してしまいました…
後で「ナイス」を押し直しました。
なので、「かわいい」を見て驚かないで下さいね(笑)
通りがかり
2016/09/26 22:34
お邪魔します。
この作品の利根川先生は応援したくなりそうですね。
そしてすみません、押すところがズレて「かわいい」を押してしまいました…
後で「ナイス」を押し直しました。
なので、「かわいい」を見て驚かないで下さいね(笑)
通りがかり
2016/09/27 00:38
通りがかりさんコメントありがとうございます。
この作品を読むと、本編のトネガワ先生にも
より愛着がわくんじゃないかと思います。
気持ち玉もありがとうございます。
「かわいい」もある意味、トネガワ先生や
黒服のかわいらしさ(?)が出てるので、
間違っていないかも(笑)
月の騎士
2016/09/28 08:04
最近「宇宙を駆けるよだか」を読んだのでまたお邪魔しました。
漫画業界に、子供が真似すると危ない描写は避ける自主規制を
勝手に感じてましたが、最近は緩くなったのかな?なんて
思いました。

あゆみが然子の体に入っている状態でダイエットしたら
可愛くなるんじゃないかと思ったらそんな時間なかったですね…
然子目線よりあゆみ目線で読んじゃいました。
世間の人はどっち目線が多かったんでしょう
aki
2016/10/02 13:07
akiさんコメントありがとうございます。
た、確かに「宇宙を駆けるよだか」は間違って
真似をする子供がいたら危険な話でしたね・・・。
でも少女漫画を読み慣れている人ならば、
そこは割り切ってくれると信じます。

どっちの目線の方が多かったのかアンケートを取ったら
面白そうですね。あるいは4人の内誰の立場になりたい
(なりたくない)か。個人的には、誰にもなりたくない!
という反則な答えにします(笑)
月の騎士
2016/10/06 22:02

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