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zoom RSS 少女漫画探訪 第38回:星空のカラス(完結編)

<<   作成日時 : 2016/06/05 08:31   >>

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少女漫画×囲碁×勝負世界×将棋電王戦


以前に感想を書いていたこの作品、完結の情報をいただいて最終巻まで読みました。


漫画の感想前に、今回も将棋電王戦について所感を書きます。
今回から選抜式ではなく人間棋戦とコンピューター棋戦を行い、
それぞれの優勝者が二日制で激突する形で電王戦は行われました。

事前の評判では「人間はどこまで善戦できるのか」が焦点でした。
2015年の電王戦は団体戦で勝ちこしたとはいえ、
Ponanzaの強さは明らかにプロのトップレベルすら凌駕してる
と言って差し支えない事が証明されていたからです。
結果は大方の予想通り。といっては棋士の屈辱でしか
ないでしょうが、もはや衝撃ではなく納得がありました。

観ていて特に思ったのは、2014年頃までは評価関数が表示されても、
「その数値が正しいの?」と懐疑的な見方がありました。
プロの解説を聞くと、表示されている数値と感覚の乖離が多々あって、
プロ側が「−2000」と表示されても、逆転するんじゃないか?
コンピューター側が間違ってるんじゃないか?と思いながら見れたのです。
しかし、最近になってプロすらその数値を参考にして考えるようになり、
−500ぐらいの表示になったら「ああ、負けてるんだ」と疑問もなく
信じてしまえるようになったのです。おまけにコンピューターは
間違えない、疲れない、驕らないのですから、不利になってからの
逆転は不可能に近い。それでも奇跡が起きないか…とロマンを持って
観る楽しみがわずかでも残っていないかと期待してましたが、
今回の電王戦で、それすら完全に打ち砕かれたと思います。

さて、勝負論は焼け野原状態になってしまったように思える電王戦。
それでもまだ最後の切り札が残っています。
そして2017年の電王戦に向けて、人間代表棋戦に羽生さんの
参戦が発表されました。もちろん、来年の電王戦に出られるかは
羽生さんと言えども確約はありませんが、
仮に来年の電王戦でコンピューターと戦うことになれば、
これまで以上のとてつもない注目を浴びるイベントになるでしょう。
「羽生さんなら無慈悲なコンピューターに勝ってくれるのでは」
という大ロマンでありながら、負けた時のリスクはそれ以上。
その勝負結果によって人間vsコンピューターに、
答えは出てしまうんじゃないか。最後の戦いになるかもしれません。

当事者たちにとっては、簡単には語れない一大事ながら、
部外者で興味本位で観てる者にとっては、正直観てみたい。
ロマンとリスクのある戦いほど、面白いものはありませんからね。
ということで、やはりこれからまた1年、見逃せない戦いが続きます。




長々と電王戦について語ってしまいました。
以下から、星空のカラスについての感想です。






1巻の感想時点では、ヒカルの碁やちはやふると比較して
感想を書いてますが、読み進めていく内に両作品とは
毛色が全然違うように感じてきました。

恋愛描写はほとんどなくて囲碁界の話に振り切ったヒカルの碁。
恋愛描写はあってもスポ根精神に振り切ったちはやふる。
そして星空のカラスは少女漫画らしさに振り切ってました。
人間関係やメンタルが濃厚に描かれ、勝負に大きく影響したことは
1巻を読んで思った予想が当たってました。


少女漫画らしいポイントを3点挙げていきましょう。


@烏丸和歌と鷺坂総司の関係性

ちょっとだけネタバレ込みの話になりますが、様々な紆余曲折あって
最終巻で二人は対局します。対局風景は真剣勝負そのものながら、
不器用なデートのようで、二人の間に殺伐としたものはなく、
勝負の最中は楽しげでありました。そこに至るまで様々なこじれや、
気持ちの上下があり、ぐちゃぐちゃした感情が渦巻いていたことでしょう。
でも盤を挟めば対等で、二人とも勝ちたい、また打ちたいと思う。
囲碁を通じて分かりあえる…という光景は美しく、モノローグのセリフと
相まって、少女漫画としてのラストになってました。


A皿家しをりの存在

THE少女漫画の悪キャラでしたね。
それぞれのキャラが悩みやコンプレックスがありながらも、
囲碁の世界で生きたい、勝ちたい、強くなりたいと考えてる中で、
この人だけは別次元の考え方をして対局していました。

最終的に善玉に寝返ることもなく、ヒールとして物語は終わってます。
こういうキャラは人として好きじゃなくても、漫画のキャラとしては、
割と好きというか、必要悪だと思います。、
純情な奴らばかりでは生まれない対人の軋轢をつくり、
囲碁の強さは度外視して精神攻撃で揺さぶりまくったのは
物語に面白さを生みました。人間vs人間の戦いには
どうしたってこういう人は出てくるのでしょう。プロ試験編では、
事実上のラスボスみたいな扱いになっていたし、
読み終えた後も、一番印象に残ったキャラでした。


B飯塚さんと烏丸里津

読み終えて「これは少女漫画だった!」と思えたのは、
この二人の関係があったからでしょうね。
星空のカラス本編の物語には別段繋がってないのに、
少女漫画としては欠かせない役割を果たしてました。

10歳以上も年上で地味だけど優しいメガネのおじさんと、
ギャル・巨乳・気が強いの三拍子そろった女子高校生の恋。
まさに少女漫画の超王道、原点的な関係性です。
作者の方は単純に描きたかったのでしょうが、
結果として良かったと思います。圧倒的に強くなること、
プロになることだけが囲碁の面白さでは無いのです。
趣味の一つであり、コミュニケーションツールとしての
囲碁が二人によって表現されていました。



最後に、このマンガのらしさは、タイトルにも込められてました。
少女漫画っぽく、囲碁マンガっぽい。良いセンスだと思いました。

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