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zoom RSS 少女漫画探訪 第36回:地獄のガールフレンド

<<   作成日時 : 2016/04/16 08:57   >>

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4月から心機一転、さわやかに!…とは程遠い漫画の感想です。





Amazonの内容紹介を引用します。

友達ゼロ同士の女3人、同居開始!
“お母さん”にモニョる バツ1シングルマザー・加南(31)、
セカンド処女のまじめOL・悠里(28)、
超モテ股ゆる女・奈央(36・家主)は 一軒家でルームシェアを始めた。
いい加減なチラシのもとに集った3人の共通点は「友だちがいない」。 (以下略)



内容紹介の通り、登場人物の三人はそれぞれ訳アリで、
チラシをキッカケにルームシェア(同居)することになります。
三人それぞれの実態と内面に踏み入れていく内に、
ちょっと距離を取ったり、ちょっと内解けたりする話です。
とまあ、ここまで書けばお分かりでしょう。
本作はNot夢見る少女漫画ジャンル(中辛)です。

これまで紹介してきた作品で、「タラレバ娘」が最も近いかと。
三人の女性があーだこーだと論じたりする場面や、
癖のある男が割って入って男側の意見を出して波紋を投げかける。
すったもんだの挙句、どうにかこうにか社会で生きていく様子は、
同ジャンル、同タイプの漫画といって差し支えないでしょう。


違いとして、「タラレバ娘」の3人は腐れ縁からの結束力が
常に発揮されていて、いかに恋愛では打ちのめされても、
揃った時のパワーは揺るぎません。女子間の友情は
完成されていて、それだけが拠り所みたいなもんです。
そして、過去と今と未来を見つめてタラレバを言っては、
痛烈なダメ出しをくらう。それが「タラレバ娘」の主題です。

それに対して地獄のガールフレンドに出てくる3人は、
信頼関係のない初対面であり、他に心を許せる友達もいません。
だから、同じ家に住んで過ごす時間を共有し始めても、
互いの警戒心が先にあって、距離の取り方がぎこちないのです。
ぎこちないながら、三人が話す内容は常に現実を反映します。
過激な妄想にはしることのではなく、淡々と「今」を見つめて
生きようとしている。現状からの成り上がりを目指すのではなく、
今できることを精いっぱいするライフスタイルだと思います。


と、無理やり爽やか風にまとめようとしましたけど、
「地獄の」なんてタイトルが付いてるのに相違なく、
結構ヘビーな内容がさらっとした会話で流されたりします。
「ガールフレンド」という単語にしても、男側から観て、
親しい女子に対する形象に使われるのが一般的でしょう。
本作は鹿谷という男がいるだけで、男女間のガールフレンド感は
1巻時点では見られません。おそらくはめんどくさいものを背負った
3人が同居して、仮の友達(?)みたいに過ごしている状態を
「地獄のガールフレンド」と称しているのでしょう。

で、この鹿谷という男キャラが、かなり際どい奴です。
これまたタラレバ娘と比較すると、どちらも容姿端麗ながら、
三人娘の心をかき乱す点は類似してます。
「タラレバ娘」のKEYは言ってることはめちゃくちゃキツイけど、
基本は言い返せない正論に対して、「地獄のガールフレンド」の
鹿谷は言い方はゆるいけど、言ってることはゲスの極み系です。



他の比較として、テンションや気持ちが絶叫マシンのように
高速回転するのがタラレバ娘。雰囲気は淡々としているようで、
内面でグルグルと暗黒渦巻いてるのが地獄ガール(突然の適当な略称)
畳みかけてきて切れ味のあるチャキチャキした連続攻撃を
仕掛けるのがタラレバ娘。ゆるふわっとしているのだけど、
一発のパンチがずっしり重たいのが地獄ガール。

「タラレバ娘」と、これだけいろいろと比較してしまったのは、
「女性同士のおしゃべりこそが最高のストレス解消である」
ということに究極の共通点を感じたからです。
親しさに差はあっても、行き着くその行為に違いはない。
これが男の話だったら、結局は一人の世界に引きこもって
自分の趣味にうつつを抜かして時間を浪費しそうなのが、
女性はトークすることで、空白をカバーするのが得意なんですね。
少女漫画にとっての『恋愛』と並ぶ、絶対的なテーマかもしれません。



最後にこの漫画には、唯一(?)の癒し要素があります。
加南の息子である楓君の存在です。
幼い楓君には、いまのところ毒気も打算もありません。
しかし、将来的なことを考えると心配です。
なにせ、周りにいるのがタイプは違えど極端な女子3人と、
1人の爽やかキワモノ男子。友達は幼稚園に一人だけ。
この状況を糧にして、とても立派に逞しく育つか、
どうしようもなく歪んでしまうか、二つに一つのような…。

そういう意味で、子供目線にすると普通の家庭に育つのは、
いかに大変で難しく、有難いことかも考えさせられます。
ちょっと重く考えた後、「いや、そういう目線で読む漫画じゃないか」と
すぐに肩の力が抜ける程度の軽さなので、ご心配なく。

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
こんにちは、お久しぶりです。
「ヴァン騎士」ララDXで「新連載」だそうで。枢ファンとして嬉しいけどちょっと微妙な気分です。特別編なら色々な時代のお話が期待できたのに(チビ枢とチビ優姫のお話が見たいのです)連載は「お付き合い」始めた零と優姫のお話みたいだし。あ、でも「ヴァン騎士」は今も好きだし連載はとても楽しみです。
ララの田中メカ先生の「お迎えです。」が実写ドラマ化!どんな作品にとワクワクしながら放送時間にTVつけたら「震災特番」…。しかたないですけどだったら昼の番組でCMしないで欲しかったです。でもドラマのおかげでメカ先生の「お迎えです。」新作が読めるので文句はいいません(笑)
SAMI
2016/04/19 15:33
SAMIさんコメントありがとうございます。
特別編の連載が決まりましたが、何をどこまで
描くのか…によって、いろいろ変わりそうですね。
とりあえずは次回の話を読んで判断したいと
思います。でも、樋野まつり先生は枢の事だって
描きたいはずなので、そこは期待してもいいんじゃ
ないかと思います。

「お迎えです。」は突然のドラマ化、再連載でしたね。
実はまだ読んでないのですが、田中メカ先生の作品なら
男でも読めるし、ドラマ化しても違和感ないだろうと
想像できました。機会あれば読んで(観て)みます!
月の騎士
2016/04/22 20:38

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