月の騎士の戯言

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zoom RSS 2015年のベストブック15 小説編

<<   作成日時 : 2015/12/25 08:10   >>

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最終日は小説編です。


最後は小説編です。
小説には馴染みのない方も多いかもしれませんが、
正月辺りの暇な時間によろしければどうぞ。





警察組織の光と闇を描いた小説です。
のっけから重苦しい空気感が漂ってくるので、気軽に読んで楽しむ
雰囲気ではないものの、文体は読みやすくて、説明文章的なパートも
それほど苦労なく読めます。時にはダーティーにもなる、
警察のリアルな実態(本当にリアルかどうかは分かりません)が、
まるでドキュメンタリーのような剛直さで書かれています。

探偵一人が颯爽と鮮やかに事件を解決するミステリとは違って、
事件を解決に導くためには、良くも悪くも血がにじむ過程がある
警察小説にあまり興味が無かった(どちらかと言えば嫌い)のに、
惹きこまれて読んでしまいました。短編でちょうどいい長さもグッドですし、
それぞれに驚きが隠されたミステリとしても機転が効いた良作です。
「第三の時効」、「ペルソナの微笑」がおススメ。



著者 : 米澤穂信
新潮社
発売日 : 2014-03-20


読んだのは2015年になったばかりの頃だったはず。
ぐらいのオボロゲな記憶しか残ってなかったのですけど、
各短編の概要を見ると、それぞれの内容を思い出します。
どれも趣向が凝らされていてインパクトがあり、
「世にも奇妙な物語」みたいな雰囲気が好きな方には
ピッタリです。加えてミステリとしての面白さも約束されてます。

どれも趣向を凝らされた物語で面白いのですけど、
「夜警」と「関守」が個人的には特におススメです。
さすが2015年度、このミス第1位の作品。
同作者は2016年度も第1位になる「王とサーカス」を書かれているので、
セールス期を見計らって、2016年中には読んでみたいと思います。





実際に起きた事件を参考に、様々な形の犯罪を描いた
連作小説です。英語訳特有の読みにくさが全くないとは言い難いものの、
短編ごとに区切られているので、多少緩和されてます。
本作は謎を解くミステリでもなく、展開にドキドキするサスペンスでもなく、
驚天動地な展開が用意されているわけでもなく、ドラマチックな物語に
なっているわけでもありません。ところが、そこが面白さになってます。

語り口は淡々としていて、まるで事件の調書が
そのまま読み上げられているかのようでした。
それは事件そのものよりも、事件を起こした犯罪者側に視点を当て、
様々な動機と状況から、在りのままの姿を現しているのです。
犯罪のことが語られているのに、読後感に後味の悪さが
あまり無いのは、犯罪を犯した人間描写が巧みだからでしょう。
「フェーナー氏」と「緑」が特におススメです。





我が読書の師、笹原圭一氏(知らない方は各自調査)の書評で紹介され、
衝動的に読みたくなり、即電子書籍で買った作品です。
結論から言えば、買って損のない珠玉の面白さでした。
今回紹介する中では唯一の長編小説ですけど、
長さはまったく感じさせません。

話としては、学生時代からの親友であるナオミとカナコが、
DVを日常的に行うカナコの夫を殺害する計画を立てる物語が
前半はナオミ視点、後半はカナコ視点で語られています。
内容に目新しさはありません。しかし、抜群の読ませる文章が、
ページをめくる手を止まらせないのです。二人の心情が丁寧に描かれ、
迫って来る不穏な展開の連続に、読者は二人の共犯者のような感覚になり、
最後までサスペンスは休むことなく加速していきます。
話自体はごく平凡なので、ドラマ化や映画化するのは簡単ですけど、
これを100%味わうには小説でないと。これぞ文章の面白さだと思います。





笹原圭一氏が『ナオミとカナコ』と併せて推薦していた作品で、
同じ作者が書いてます。ありきたりな家庭のごく普通の日常にある
一般的な問題を切り取った話で、『ナオミとカナコ』とは真逆のテーマながら、
切り口と語り口はやはり似ていて、これまた圧倒的な読ませる文章です。
語られるテーマは平凡であっても退屈させません。

「我が家」と括っているものの、夫視点だったり、妻視点だったり、
子供視点だったり、それぞれで捉え方が全然違うので老若男女
誰でも(結婚してなくても家族を持っていなくても)楽しめるはず。
心が動揺してしまうようなサスペンスを好まない方には、
こちらをおススメします。読み終えるとほっこりするやら考えさせるやら。
「夫とUFO」、「里帰り」がおススメです。




それでは2016年も良き漫画、良き小説に巡り合えることを。

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