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zoom RSS 少女漫画探訪 第24回:こいつら100%伝説

<<   作成日時 : 2015/07/04 09:26   >>

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新装版『ルナティック雑技団』発売(7月24日)に寄与します。


この記事をご覧の皆さんに興味があるか分かりませんが、
FFファンに名高い人気を誇る『FFZ(ファイナルファンタジー7)』が
約20年ぶりにPS4でリメイクされる事が先月発表されました。
安易なリメイクを望まない声も多いとは思いますが、
今回ばかりはかつて同作品をプレイした人達の多くが絶叫したんじゃ
ないでしょうか。それぐらい特別な人気がある作品でした。

個人的な評価を言えば、FFZはファイナルファンタジーシリーズで
最も好きな作品でも思い出のある作品でもありません。
好き度は5や6の方が上だし、思い出は8や9の方があります。
それでも情報解禁されて率直に思いました。
「これはやってみたい!!」
そう思うのは好きとか思い出を超越して、かつてゲームファンだった
男のミーハー魂を呼び覚ますほどに求心力がある作品だからでしょう。


はたしてゲーム熱、とりわけRPG熱は枯れ果てたオッサンでさえ
シナリオに熱くなれるのか?プレイして面白いと思えるのか?
「今更リメイクされてもなー」なんて批判することは簡単ですけど、
やらない後悔よりも、やった後悔の方が得るものはあるはず。
そのためにPS4買うのは決して安い買い物ではありませんが、
子供の時と違ってねだらなくても、自分であっさり買えてしまいますから。
でもゲーム熱が冷めた理由として、当たり前に買えることと、
情報社会になりすぎたのは要因かもしれません。その話はまたいつか。

そして最新のCGを見慣れていたり、スマホのアプリゲームにハマってる
今の子供達が20年前のリメイクゲームをプレイしたら、
どう感じるのかも率直に気になるところ。思い出補正とか、
ひねくれた批判を抜きに、ゲームとして面白いのか率直な感想が
分かりそうです。そんな様々なドラマやロマンが含まれている、
FFZリメイクのニュースでした。



少女漫画探訪の記事に、いきなりゲームの話題で失礼しました。
が、今回の感想にまったく関係無い話ではありません。
リメイクではありませんが、こちらも約20年ぶりに復刊されます。
以前に感想を書いた岡田あーみん先生の『ルナティック雑技団』です!

尚、新装版『ルナティック雑技団』には、これまで未収録だった
作品も収録されるとのこと。FFZほど広くは浸透していませんが、
一部にはカルト的な人気を誇り長らく復刊が望まれていた作品が、
20年を超えてこうして蘇る事で、再び注目されるのは素晴らしいことです。
当時こっそり読んでいたファンは待ち望んでいた復刊に狂喜乱舞でしょうし、
何かの手違いで本書を手に取った現役の女子中・高生が、
20年の時を経てハマってしまうのも素敵だと思います。

それに併せてか、過去の2作品も電子書籍化されました。
突然の活発な動きは、岡田あーみん先生と連絡が取れたのでしょうか?
理由は何にせよ、これを機に電子書籍化された作品の一つ、
『こいつら100%伝説』の感想を書きたいと思います。




時は戦国時代。白鳥城の姫・白鳥姫子は、敵対勢力に命を狙われていた。
彼女の身を案じた家臣達は、城下の忍者道場に姫子を預けることを決意する。
道場主の先生は快く引き受けるが、その弟子である
極丸・危脳丸・満丸の三人組はいずれも問題児だった。
不安になる家臣をよそに三人組は美人の姫子を大歓迎し、
姫子と三人組の馬鹿馬鹿しくも楽しい日常が始まった。



一応あらすじを載せましたが、はっきり言って
本作にはストーリーなんてあってなきようなものです。
読む前に知る必要もなければ、読み終えた直後に
「こいつら100%伝説ってどんな話?」と聞かれても答えに窮します。
「理由は分かんないけどみんな大暴れしてる」と答えとけばOKです。

そして前回の感想を否定するような話になりますが、
これを読み終えてからルナティック雑技団を思い返してみると、
あちらは少女漫画の範疇に納まってたようにさえ思えてきます。
(改めてルナティック雑技団を読むとそんなことないと感じるでしょうけど)
それぐらいのフルパワーな破天荒ギャグを味わえます。
ごく一般的な少女漫画を読みたくて手に取った読者は
カルチャーショックを受けた後、吹き出さずにはいられないはず。



たとえば、1話限りのおふざけ出演と思われた
ターミネーターというキャラが、その後もレギュラー出演して
「ターミネーター」としか喋れないくせに、要所要所のオイシイ場面を
持っていったりします。最終的にちょっと泣かせる話まであります。

主要キャラの一人、危脳丸(この名前だけでも下手すりゃ規制ですよ)
の身体に異変が生じて、それを何とか隠そうとする話は抱腹絶倒です。
あーみん先生自身が作中に登場して、締め切りに困ったため
キャラ達をりぼん編集部に殴りこませるような話もあります。

ブラックユーモアもまったく規制されずに載ってます。
ルナティック伝説の感想でネタとして「脱○ハーブ吸ってる」
なんて書きましたが、それさえ漫画内で表現しちゃってます。
あと、終盤のサーカス回ではギャグの流れとはいえ何人か死んでます
少女漫画をどっぷり読み始めてしばらくになりますが、
ギャグ的に人があっさり死んでる漫画を読んだのは、
少女漫画界どころか、『地獄甲子園』以来の記憶ですよ。



忍者の概念も、戦国時代の設定も何も関係ありません。
それもそのはず、そもそもあーみん先生は忍者にも時代劇にも
まったく興味も拘りもなく、当時の編集者がごり押しで決めた設定
らしいです。むしろ、それでよくここまで仕上げたものですよ。

おまけに偶然なのか、あーみん先生の描くキャラの
ひたすらコミカルな動きや、リズミカルなテンポが
なぜか忍者や時代設定に合ってるとさえ思えてきます。
いや、ツッコミどころがありすぎて「なんで忍者!?なんで時代劇!?」
なんてことにまで目がいかないのかもしれませんが。


ちなみに、作中には白鳥姫子というヒロインも登場しますが、
ツッコミ役としてはほとんど機能していませんし、
まったく登場してない話もあったかと思います。
ルナティック雑技団と違って、姫子に好意を抱いてるのは、
ラブコメストーリーのためでなくギャグの下敷きのためなのです。

開き直って、この作品で少女漫画を描く気はさらさらなかったのでしょう。
これだけあらゆることがぶっ飛んでいて、すべてに何らセーフティを
かけなかったにも関わらず3巻も続いて、それは『姫ちゃんのリボン』や
『マーマレードボーイ』が全盛だった時代に同じ雑誌に
掲載されていたことを想像すると感動すら覚えます。
おまけに、20年以上経った今でも評価されている。
そんなすべて含めて、『こいつら(少女漫画界の)100%伝説』です。



当時のりぼんを買ってる上で表向きは超王道少女漫画を読む一方で
こっそり『あー民』が増えていったことも納得できます。
おまけ漫画として、あーみん先生の日常だったり子供時代の話が
描かれてますが、これを読んで共感した少女は多いんじゃかろうか?
「わたし白馬の王子様にお迎えに来てもらった夢を見たの!」とか、
「学校では友達たくさんで毎日楽しかったです!」なんて話より、
あーみん先生の変わった感性の方が、現実に何かしらの
違和感を感じてる少女の夢、そして今も違和感を感じてる
大人の希望になる。大抵の小さな悩みはこれ読めば吹っ飛びますよ。

とまあ、最後はちょっと大げさな話になってしまいましたが、
とにかく読んだ後悔よりも読まない後悔の方があるはずですよ!
残す『お父さんは心配性』についても、近い未来に読んで感想を書く
そんな運命にあるだろう。と予言しておきます。

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
楽しく読ませていただきました(^O^)
この破天荒ギャグ漫画をここまで真面目に考察されたことに天晴れ拍手喝采です!
そんな騎士さんと素晴らしい記事にこの言葉を贈ります。

Eじゃん Gジャン 最高じゃん

お父さんは心配性の感想も楽しみにしてます(^◇^)
P.S. 極まるは騎士さんお気に入りキャラ黒川さんのご先祖様で危脳丸は愛咲ルイのご先祖様らしいです。
ぴよ
2015/07/04 12:53
ぴよさんコメントありがとうございます。

投稿してから後出しジャンケン的に言うと、
真面目に考察するのは無粋だったかもしれません。
それよりもあーみん節でおススメした方が
面白さは伝わったんじゃなかろうか?
試しに書いてみましょう。

へへへ、この漫画はフィーリングで読むべきだぜィ!
ギャグも考えるなYO。勢いで笑ってくれれのウクレレ!
でも勢いで○麻を吸っちゃうのは
Pじゃん ヤクジャン 最低じゃん!

危脳丸がルイの先祖だったのは覚えてましたが、
極丸が黒川さんの先祖だったのは失念してました。
空気をぶったぎる毒舌とブラックジョークなセンスは
言われてみれば遺伝だと分かりますね!

お父さんは心配性もいずれまた〜。
月の騎士
2015/07/05 16:54

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