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zoom RSS 少女漫画探訪 第23回:東京タラレバ娘

<<   作成日時 : 2015/06/07 09:56   >>

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『このマンガがすごい!2015』、第2位の作品です。


あの時、ああしていタラ、良い相手に巡り合えたはず。
あの時、ああしていレバ、結婚できたんじゃないか。
年齢を重ねる程に駆け巡る恋愛の後悔。

恋愛に限らず、世の中には言い出したら切がない程の
「タラレバ」が存在して、誰しも何かしらの「タラレバ」を抱いて
生きてるんじゃないでしょうか。
あの時、あの学校に受かっていタラ。
あの時、ああ言っておけれレバ。
あの時、逃げずに立ち向かっていタラ。
あの時、10円拾っていレバ……それは何も変わらないでしょ!

タラレバ人生真っただ中な三人娘(アラウンドサーティー超え)
の恋愛騒動を謎のイケメンと、タラの白子とレバー(妄想)が
ぶった切りまくる!痛快コメディ少女漫画です。
少女漫画ですが対象年齢は20代後半から…と思います。





改めて、あらすじを簡単にご紹介。

倫子、香、小雪は女子会と称して頻繁に居酒屋でくだをまく30代。
2020年の東京オリンピックを独身で見る事を想像して悲嘆する。
そんな時、凛子が10年前に振ったダサ男から再び誘われて!?
その顛末に振り回されながら三人で大騒ぎしていると、
居酒屋に偶然居合わせた若いイケメンにダメ出しされる。
「あんたらのソレは女子会じゃなくてただの行き遅れ女の
井戸端会議だろ。そうやって一生女同士でタラレバつまみに
酒飲んでろよ!このタラレバ女!!」

果たして3人の恋愛的運命はいかに……。


「痛快コメディ」と書きましたが、男は全面的に
ゲラゲラ笑って楽しめちゃうのに対して、
凛子達を自分と重ね合わせてしまいすぎるタイプの女性は、
容赦ない展開やセリフにダメージを受けるかもしれません。
客観的に読んでるうちはいいけど、自分に置き換えると
途端に直視できる余裕がなくなってしまうんじゃないか?
それぐらい「30代で結婚してない女性」の心境に対して、
ズバズバ切り込みます。そこにはひとかけら分の甘さも
入ってません。苦みばしったブラックの現実です。

以前に紹介した『失恋ショコラティエ』は
男にとってエグイと感じる内容だと思うのですが、
本作は女性にとってキツイんじゃないでしょうか。
失恋ショコラティエの薫子さんを主人公にしたら、
こんな感じかもしれません。もうちょっと上品だと思いますが。
そして、男女キャラの共感度もたぶん逆になりますね。

始まりが世間のビッグニュースに、自分の立場を置き換えて、
ふと寂しさを悟ってしまう展開に既視感があったのは、
福本伸行先生の描く40代男の哀愁(ギャグ)劇、
『最強伝説黒沢』に近いとも思いました。
って一般女子に対して、響かない例えで恐縮です…。



が、2015年度の『このマンガがすごい!オンナ版』の第2位に
なってるのだから、多くの女性は笑って読めているか、
共感して読めているのでしょう。男が気を使うのも余計なお世話。
読んで不快に感じるだけのマンガが人気なわけないですからね。

夢見る少女に向けた内容ではないので、
現実を直視させるような辛い煽りは容赦なく入りますけど、
全体の雰囲気に哀愁はまったくといってありません。
登場人物の三人娘は、どんな事があっても、
なんだかんだ前向きで楽しそうだからギトギトした感じにはならず、
カラッとした爽やかさに満ちてます。
この点でも、失恋ショコラティエとは真逆なんですね。
どちらもキラキラした夢や恋の魔法をぶち壊すような方向ですし、
女子側の心理は「素敵な恋をして結ばれたい」という、
少女漫画にいたって忠実な内容なのに、描き方によって
全く異なる作品になって、それぞれがまた面白い。



現実と妄想、善悪のバランス加減を好きに調整できるのが
漫画というエンターテイメントの良さ
じゃないかと思います。

あらすじに書いたのと同じセリフを現実でどこぞの知らんオッサン
に言われたら、ムカつくなんてもんじゃないでしょう。訴えられますよ。
本作のようなイケメンにだって言われたくないのが普通です。
でも漫画の中で、ゆるキャラな白子のタラとレバーに
現実では思っても言えないセリフをバシッと決められるのは、
かゆいところに手が届いて、思わず納得してしまったり。

現実の人生は良い事と悪い事がちょうどよくは起こりません。
時には徹底的に落ち込むほど厄災が重なることだってあります。
それが漫画というフィルターを通せばどんな世知辛い話だって、
最後に上手くハッピーエンドにまとめてくれる期待感がある。
極論を言えば、たとえ現実では何も起きなくても、
漫画というエンターテイメント内では、どんな絶望だろうが、
どんな幸福だろうが、物語に共感することで疑似体験できます。
だからこそ、この漫画がアラサー女性に人気なのは納得です。



物語の展開に目を向けると、1巻のラストには度胆を抜かれるはず。
流れ的に「なーんちゃって!」で終わる話だと思ってたら、
あっさりとした『事実』がモノローグで述べられて終わるのです。
それは場合によってはゴール、場合によってはロマン。
でも『東京タラレバ娘』では、ただ通り過ぎた“事実”に過ぎない。
で、そのまま2巻を読まずにはいられないでしょう。

最終的に三人はタラレバ娘から脱するのか、
それともタラレバ娘として人生を謳歌しようとするのか。
たとえ愛が見つからなくても、三人が集まって楽しそうなら
それでいいじゃない!っていう結論だってハッピーじゃないでしょうか。
「孤独じゃない」ってことが分かるだけでも救われるものですよ。
同時期に読んだ『新黒沢 最強伝説』』なんて、牛丼1杯食べるのに
すべてを賭けてますからね。それに比べてしまえば、
この三人娘は恋愛面以外では人生を楽しく生きてるようだし、
社会的にも成功してると称して差し支えないと思いますよ。



おそらく、いずれアニメ化なり、実写化なりすると思いますので、
今のうちに読んでおけばドヤ顔で自慢できるし、損はないはず。
深く考えなくても楽しめます。もしも全然楽しめなかったら、
「自分の人生にタラレバはないんだな」と喜びましょう

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