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zoom RSS 少女漫画探訪 第21回:笑えない理由

<<   作成日時 : 2015/04/11 09:54   >>

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絶対に笑えない理由が彼女にはあった!(懐かしのTBSナレーション調)





「ヴァンパイア騎士から少女漫画に目覚めました!!」
みたいなスタンスでやってましたが、告白します。
中学生ぐらいの頃、妹が珍しく買ってきたらしい
少女漫画の読み切り集(今となっては雑誌名もはっきりしないが
おそらく「りぼん系」)をこっそり読んで甘酸っぱい展開に悶えておりました。
あと「だぁ!だぁ!だぁ!」って原作少女漫画(なかよし)の
アニメを楽しんで見てました。今思い返しても良作でしたよ。

今回は、それらと同じ頃出版されていた(と最近知った)漫画、
「笑えない理由」全4巻をご紹介します。
この漫画、もし当時読んでたらハマったんじゃないかと
思いました。我がストライクゾーンにビシバシ入ってます。
きっと読んでる事、ハマった事は誰にも言わなかったし、
それによって青春が彩られたわけでもないだろうけど。
そんな漫画に時が経ってから出会えて読めるのも、
一興の楽しみですね。世の中には、まだまだ見知らぬ面白い
少女漫画があるから、オラなんだかワクワクしてきたぞ!
(めざせ少女漫画読者界の悟空)



それでは、だいたいのあらすじを。

伏屋かな子、小学6年生。
2年前に憧れていたお兄さんが引っ越す前、
その弟の瑛士に「笑ってる顔がぶさいく」と
いじわるを言われて以来、人前で笑えなくなってしまった。
それ以降、クラスでは暗い女と陰口を言われるが、
こっそり善い行いをすることで、不愉快な気持ち(勘違い)
の責任を取ろうとする健気で不幸な女の子なのである。
ある日、笑えなくなった原因をつくった瑛士が帰ってきて、
かな子に謝ろうとするのだが…。


絶対に笑えない理由ってそんなことかよ!
繊細な心の分からない無粋な人はそう言うかもしれません。
しかし、言った方はちょっとした冗談で忘れていても、
言われて傷ついた方は覚えてるものです。
女子の多感な時期に起きた事なら尚の事。
本作のケースは、好きな子への照れ隠しなんですが、
そうはいっても子供ならではの大罪といえます。
心に傷を負って笑えなくなった女の子と、
傷を負わせてしまった男の子、誤解は解けるのかい?



小学6年生⇒中学1年生という幼い時期を描いてるので、
これといってアダルトな展開や大人向けの描写が
あるわけではないのですが、繊細な感情と切ない雰囲気が
物語に程良い緊張感をもたらしてくれています。
かな子が「笑ってはいけない」事を重く受け止め、
瑛士はそれに罪悪感を感じつつも、かな子に上手く
意思を伝えるのに四苦八苦する様子を丁寧に描いてるので、
大人が真面目に読んでも退屈することはありません。

様々な少女漫画を読んでよく思う事なんですけど、
同じ年代の女子があらゆる角度から情緒を深め始めてる頃、
男子ときたらゲームで夢中になってるような頃ですから、
そりゃあ深い溝が出来てくるわけだと納得してきます。
アホな男子視点も、繊細な女子視点も、どっちも理解した
今となってその両極感はより面白く読めてきます。


物語の中心はかな子と瑛士の恋愛模様ですけれど、
いじめの問題だったり、姉弟の関係だったり、
姉妹の関係だったり、サブテーマも豊富にあって、
どれも内面を深く描いてるので読み応えがあります。
3巻にいたっては、脇役の麗子がメインになって、
話が「笑えない理由」じゃなくて、恋と進路を絡めた
「受験する理由」になってるんですが、これは蛇足どころか
麗子主役でスピンオフ描いて欲しいぐらい良い話です。

瑛士のぶっきらぼうな言葉が、ここでも女子の心を惑わせます。
女心を毛ほども分かってないような態度と言葉遣い。
前述の「子供としての大罪」とは矛盾しますけど、
でも「そこがいいんじゃない!」
奥底に優しさがあれば、いつか誤解は解けて気持ちは伝わるもの。
イケメンがくっそ甘い言葉をささやくだけが
女子を喜ばせるわけでもないし、少女漫画の醍醐味じゃありません。
そんなこと平然とできる中学生がいたら恐怖だよ!(半ば負け惜しみ)

男的にも、瑛士があからさまなイケメンではなく、
この時期にありがちな素直じゃない感は理解できて、
感情移入しやすい男子像じゃないかと思います。
かな子は…、こういう子が嫌いな男はそうは
いないんじゃないですか?(言い過ぎか?)
元気な子がしょげる方がギャップで涙腺にきますけど、
大人しさが雰囲気にあってるのでグッドです。



純正なる少女漫画の香りを楽しみながら、
大人になったからこそ感じ取れる微妙に儚い雰囲気が
胸に染み渡る良作でした。幼い娘さんには失恋ショコラティエ
じゃなくてこっちをオススメしたい
ですね(笑)
(失恋ショコラティエは成人してから好きに読んでくれたまえ)

さらに各巻には短編の読み切りも収録されてるんですが、
これがまたどれも読み応えあって面白いです。
「Junk」「傷あと」「緑のこども」あたりは、
本編の「笑えない理由」の内容がぶっ飛んでしまうぐらい過激でした。
繊細な心を描ける方のダーク面を切り取るとこうなるのかと。
花とゆめ、望月花梨先生ハンパねぇな!
(ハンパねぇな!をマジで一時的に流行らせようとしてる)



興味が湧いたので、電子書籍化されていた
こちらの短編集も読んでみました。




「2人の距離」と「「コナコナチョウチョウ」が特に良かったです。
「泥沼ノ子供タチ」と「サクラチル」は読み切り作同様に、
本格サスペンスのような話でゾクッとします。
オチはハッピーエンドだったりバッドエンドだったり、
どちらとも言えないエンドだったり、それぞれ分かれますけど、
全体の空気は共通してるので、1冊で望月花梨節を存分に楽しめます。

機会があれば他の作品も読んでみたいと思いました。

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