月の騎士の戯言

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zoom RSS 少女漫画探訪 第17回:ルナティック雑技団

<<   作成日時 : 2014/11/09 08:37   >>

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1990年代の伝説的ギャグ少女漫画をご紹介します。






わらび野中学に通う星野夢実は、特異なるカリスマ性の持ち主である
同級生の天湖森夜に憧れていた。 ある日、両親が海外に出張することになり、
夢実の父親は部下である天湖森夜の父親に依頼し、天湖家に同居させてもらうことになった。
憧れの人との生活に胸をときめかせる夢実だったが、
天湖森夜をめぐり、天湖家や学園で悪戦苦闘する日々をおくることになる。



コメントでオススメをいただいた作品です。
岡田あーみん先生のことは、『ちびまる子ちゃん』の単行本で
『お父さんは心配性』という作品の合作として読んだことがあって
認知はしてました。『ちびまる子ちゃん』も少女漫画としては
だいぶ希少な部類(今となっては国民アニメに)ですが、
それ以上に、娘を溺愛するお父さんが大暴れするような漫画は、
異端な空気が漂う作風だった覚えがあります。

単作で読むのは今回初です。
作品年代的には、以前紹介した『こどものおもちゃ』に近いです。
あらすじだけでは、「ある日突然一つ屋根の下に男女が」で、
ドタバタ劇が繰り広げられる、ありがちなラブコメを想像されるでしょう。
実際に本筋のストーリーそのものは極めて普通ですし、
ヒロインの女子も少女漫画らしい思想を持っていますし、
2巻の最後にはアクシデントKISSシーンもあって、
期待されるロマンスがまったくないわけではありません。



が、これを読み終えて「普通の少女漫画だった」という
感想を述べる人は誰もいない
でしょう。
普通の部分を全て忘れる程、ヒロイン周りのキャラがぶっ飛び、
ギャグがロマンスを完全に破壊する程に爆発してます。
キレ味鋭いギャグは他の少女漫画でも味わってきましたが、
岡田あーみん節はキレ味鋭いというよりも、
怒涛の勢いで畳みかけてくる感じです。

ヒロインは星野夢実。いわゆる少女漫画にありがちな
普通の設定で、本作のツッコミ役。
容姿端麗でクラスメイトから羨望の目で見られているのに
「嫌われてる」と勘違いして、箱入り息子として生きる天湖森夜。
その母で、森夜を溺愛するあまり異常な行動に出てしまう天湖ゆり子。
学園のアイドルで狂気のコンサートを開き、星野夢実が好きなのに、
成り行きで天湖森夜の友達に推薦される不憫な男の子ルイくん。
天湖森夜が好きな金持ちで美人なのに汚れキャラな成金薫子。
本作の裏メイン大ボケキャラ、黒川さん。


このキャラ達が繰り広げるドタバタ劇は、
そんじょそこらのドタバタ劇ではありません。
特に天湖母とルイくんは、言動が脱○ハーブでも吸ってる
レベル(失言)であり、テンションの高さと暴走量が
ハンパじゃないです。この二人が大人しくしてる
シーンを探す方が難しいと思います。
(ルイくんは終盤ストーリーの大事な役目も担ってますが)
ちなみに個人的には、黒川さんのボケが一番好きです。

後半になると、夢美と森夜の関係も進展してきて、
真面目にセンチメンタルな場面があったりもします。
いろいろメチャクチャなはずなのに、不思議と世界が破綻してる
印象がないのは、物語の軸がしっかりしてるからでしょうか。
とはいえ、それをかき消すほどにギャグが強烈なので、
本作を人に紹介する時に、本編ストーリーの流れを
くどくどと説明するのは絶対間違ってますね。
「とにかくギャグがヤバい」と言う方がまだ的確で興味も惹くはず。
本編のストーリー的には3巻の半分程で終わっていて、
その後は番外編に続きますが、番外編の『今夜だけヒロイン』は
またちょっと毛色が違って、さらに荒唐無稽な展開です。



これが『りぼん』という一時代を築いた乙女の少女漫画雑誌に
堂々と連載されていた事実には興奮を隠せません。
世の中の何処に奇才が潜んでいるか分かりませんね。
思い出したのは、週刊少年ジャンプに突如として現れた
尾玉なみえ先生ですが、両作品を簡単に比較すると、
尾玉なみえ流はシュール、岡田あーみん流は破天荒です。
この破天荒さは、喰いつかない人はまったくダメでしょうけど、
ハマった人には普通の少女漫画はもちろん、少年ギャグ漫画すら
どこか温く感じてしまうようなビッグインパクトじゃないでしょうか。

時代背景的には今読むと古さを感じる場面もありますが、
かといってギャグの鮮度が古くなるわけではありません。
wiki情報で、今もなお復刊リクエストが後を絶たないのも頷けます。
どうやら岡田あーみん先生とは連絡が取れないようですが、
それも希少価値を高め、カルト的な人気に繋がってるのかもしれません。
一応Amazonでは新品でも中古でも取り寄せは可能なので、
お上品な少女漫画に飽きてしまった方、奇才を知りたい方はぜひ。

そして最後の衝撃は、こんな破天荒な作品を描かれてる
岡田あーみん先生の若かりし頃の写真が美人ということです。
ある意味、これが最大のサプライズ。もし20年早く生まれていたら、
とりあえずファンレターを書いていたと思います!



さて、来月は2014年に書いた『少女漫画探訪』の記録をまとめて、
勝手にベストオブ少女漫画(2014年版)を決めたいと思います!

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
ルナティック雑技団をオススメさせていただいた ぴよ です(^^)

私も黒川さんのボケが一番好きです。
そして幼少の頃、この漫画を読んで初めてタコ部屋と言う言葉を知りました(笑)

岡田あーみんのギャグは何年経っても色あせずに、何度読み返しても飽きさせない魅力があると思います。
ホントに漫画界から姿を消してしまったのが残念でなりません(._.)
好き過ぎて何を書いたら良いのかわからなくなってきたのでこの辺にさせていただきます(´Д` )(笑)

話しは変わりまして料理合コンの感想の件ですが、婚活を一旦休止されてるようなので書き込みしませんでした。だいぶ間が空いてしまってすみませんf^_^;)
また再開されたときにでもコメントできたらと思います(^^)

ぴよ
2014/11/09 15:23
ぴよさんコメントありがとうございます。
おススメしていただいて、
岡田あーみん先生を知りたくて読んでみました!
面白かったです。ファンの気持ちが分かりました。
他の作品も読んでみたいですね。

黒川さんのボケは下ネタも多いですけど、
大人のダンディがあって、勢いだけではない
深みがあるなと。番外編の最後を締めた言葉も
なぜか少しグッときました(笑)
子供には難しい(危険な)ニュアンスの言葉が
結構でてきますよね。両親に聞いたらまずいような
言葉も(笑)タコ部屋なんて普通の少女漫画には
出てくるはずもない単語ですし。

料理合コンの件は大変興味がありますので、
こちらに気を遣わっていただかなくても、
ぜひ感想を教えていただきたいです!
落ち着けたら再開はする(はず)ので、
そんな記事を見かけた時にでもお願いします。
月の騎士
2014/11/10 17:18

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