月の騎士の戯言

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zoom RSS Pandora Hearts 第18巻&18.5(公式ファンブック)感想

<<   作成日時 : 2012/08/11 08:46   >>

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すべては滑稽な御伽話です。


パンドラハーツファンの皆さん、どうもお久しぶり…でもないですね。
誰得なシャロン考察以来、約2ヶ月ぶりになります。定期的ですが、こんにちは。
今回もパンドラハーツ最新刊2冊の発売に伴い、ファンのはしくれとして、
感想を好き勝手に徒然とお届けします。






まずは18巻の感想から。
15巻あたりから怒涛の展開と驚愕の真相が次々と明らかになっていき、
ネタバレなしでは何も感想を書けないぐらいの物語になってます。
過度のネタバレをあっさりと書いて公表するのは差し控えたいと思っているのですが、
そうは言っても、感想を語る上で避けられない話は書いてしまうことをご了承下さい。

さて、これだけは当ブログ的にどうしても冒頭に書いておかないと気が済まないので、
決死のネタバレ覚悟で言及させていただきます。


今回“も”シャロンの出番(及びティータイム)は全然ありません!!!


あれ?なんだか4ヶ月ほど前にも、同じようなことを書いたデジャブを感じたのですが、
あの時は「1コマもない」と書いたのに対して、今回はちゃんと出番はあります。
ええ、ありますとも。たった1コマだけ。それも小さいコマでセリフもないけれど。

もはや『蚊帳の外』という言葉でも形容できないぐらいに、
物語にシャロンの存在は影も形もカケラもありません。
ベザリウス家、ナイトレイ家は言うに及ばず、100年前からの因縁もあって、
アホ毛公爵が何やら暗躍しているパルマ家も深く介入しているのに、
レインズワース家は4大公爵家の一つとは思えない扱いを受けてます。
でもまあ、ここまで完全に置いてきぼりだと、逆に清々しさを感じますよね。
これは「君たちはティータイムだけしてればいいんだよ!グリーンダヨ!」
とするアヴィスの意思
だと思います。言い換えれば望月先生の意思です(笑)

今後の展開次第で、骨身を削る凄惨な争いの果てに、
ベザリウス家もナイトレイ家もパルマ家も、跡形もなく消え去ることはありえるでしょうが、
レインズワース家だけは、なんだかんだで滅びることはなさそうですし、
漁夫の利を拾う形で、パンドラ統一を果たすことだって考えられます。
ティーカップ片手ににっこりと微笑むシャロンの顔浮かんできます
その下僕、、、失礼、従者としてレイムさんを携えるのもいいでしょう。
ブレイク…は、どうですかね。正直、今の段階では破滅の香りが漂ってますが。
そんな王国の統一挨拶は「われらが女王に、そしてパンドラの平和に、
このティータイムを捧げよう!ハッピーアンバースデイ!」で決まりですね!



度を過ぎた妄想はこれぐらいにして、そろそろ本編を語りましょう。
18巻の内容を一言で表すならば、洒落にならないぐらいどシリアスです。
普段どおりだったのはアリスとエコちゃんぐらいで、他のキャラは「らしさ」を失ってます。
衝撃やバイオレンスやダークネスでは、過去の巻で、もっと刺激的だったことはありますが、
パンドラハーツ全体のストーリーとしては最高潮のシリアス度と思われます。
特にオズファンであればあるほど、裏に隠されていた思惑のエグさと、
アリスが紡いだオズの情景は、ズバズバと心に突き刺さると思います。

オズの真実については詳しく書こうにも、考察が足りてない私が書いても、
描かれているストーリーをなぞる以上のことはできそうにないので、
とにかく読んで下さい!とだけ強く申し上げます。
それで理解できない方は、私と一緒に18,5巻(ファンブック)を読んで勉強し直しましょう。


突っ込めそうなことを書くと、瀕死の重傷から目を覚ましたレイムさんが久しぶりに登場しますが、
物語が壮大になりすぎていて、各サブキャラにスポットライトが当たりにくくなり、
はっきり言って「あれ?レイムさん、まだ生きてたの?」と思ってしまったぐらいです。
レイムさんに限らず、一時期は腹黒ドブネズミや首狩りの女王の正体として、
黒幕臭を漂わせていたヴィンセントにしても、状況についていけず慌てふためく
小物キャラに見えてしまいます。それぐらい、ここ数巻のパンドラハーツでは、
ジャックとグレンの存在感が、次から次へと物語の主要キャラ達を喰らっています。


そして今回も終盤には、とてつもない逆転劇が用意されていました。
この文句も使いまわしになってますが、それでも驚きは損ないません。
望月先生は、逆転の構図が相当にお好きなのでしょう。
分かります。私も相当に好きですから。
18巻の中盤までに明かされた話さえも、最後の一幕によって、
またしてもその真意が何が何やら分からなくなりましたからね。
誰と誰が実は繋がっているのか、誰と誰が敵対関係になっているのか、
誰を信じればいいのか、数ヶ月のスパンで読むと真面目に整理できなくなります。

「オズとエコちゃんって、いい感じになってなかったっけ?」
「ドブネズミがエイダに近づいたのって、結局なんだったっけ?」
「ギルはへタレワカメ……なのは変わらないか」

肥大化したパンドラ世界の物語と、全てを知り、そして現実を突きつけられ、
暗闇に沈んで堕ちたオズの心と身体はどうなるのか。
次回の第19巻でも、これ以上に墜ちてしまうのか、それとも光は射すのか!?




それではいつものように、今回の名言を3つピックアップします。


堕ちるところまで堕ちる18巻です。


(望月先生)

カバー裏の作者コメントです。
思わずツッコミを入れたくなった人も多いことでしょう。
堕ちすぎですよ、望月先生!!!

本編がどんなにシリアスでも、カバー裏にはのほほんとしたコメントで
和ませてくれていたのですが、この18巻は上記のコメントに加えて、
「どうぞよろしくお願いします」と簡素な言葉が添えられているだけ。
しかし、その短いコメントからは、「濃厚なダークファンタジーをお楽しみ下さい」といった、
先生の静かな熱い想いを感じますね。




世界を君のもとに届ければいい


(ジャック)


かの有名な言葉を思い出しました。
「パンがなければケーキを食べればいいじゃない」。
ジャックの論理は、そのトンデモ理論に近いのではないかと。
君が世界から離れてしまったならば、世界を君の側まで届け(堕とす)ればいい。
言葉にするだけでは無謀で滑稽な馬鹿馬鹿しい御伽話ですが、
それを実現させようとするジャックは至って真剣そのものであり、
本を正せば、全てその馬鹿馬鹿しい御伽話を実現させるための犠牲だったことが分かった今、
戦慄の末に、醜くも美しい狂気すら感じてしまうのです。
あと、普通にちょいムカつく




そいつを泣かせていいのは、
この世でただ一人、私だけだ!!


(アリス)

あらゆる登場人物が自分のキャラや立ち位置を見失って迷走したり、
以前と逆転してしまってる中で、第1巻と変わらない調子の、
いや力強くなったアリスの番長チックなセリフが頼もしい限りです。
ベジータが「勘違いするなよ。カカロットは俺が倒すんだからな!」
と言うのは、DBの世界ではズバリ負けフラグですが、
この巻のアリスほど、「よっ!待ってました!」な存在はありません
最近はヒロインらしい立ち振る舞いも増えてましたが、
私はこんな傍若無人に空気を変えて暴れるアリスの方が魅力を感じます。



次回、第19巻は11月頃の発売でしょうか。
今度こそ、今度こそ、シャロンの出番がほんの僅かでもあることを信じながら、
待ちたいと思います。……いや、無茶な希望なのは分かってます。
分かってますけど、本当の意味での滑稽な御伽話も読みたいんですよぉ!





さてさて、続いて18,5巻の感想です。





この記事を書いてる現在、まだ全てを読み切れたわけではないのですが、
ファンブックと呼ぶに相応しい濃密・濃厚な内容で素晴らしいです。
カイジの某ファンブックもこれぐらいの内容で出して欲しかったです。今更だけど。

とりあえずイベントヒストリーのページだけでも読む価値はあります
100年前からの歴史や過去回想編やら専門用語やら絡み合うキャラの関係やらで、
起こってる事象を頭で整理するのが、いろいろややこしくなってるパンドラハーツの物語を、
このページを読むだけで、だいぶスッキリさせてくれます。
これを読んでから、改めて1巻から読むと、さらにスッキリするのではないかと。


8,5巻のファンブックに続いて、今回も「パンドラハーチェ集」が面白かったです。
特にベスト3に選ばれたネタはさすが秀逸すぎるデキです。
某北斗神拳の伝承者化したグレン、無茶ぶりで苦悩しながらもそれに応えるレイム、
そして1位のどうしようもなく腹が立つジャックと、脱力しきったオズの顔。
どれも素晴らしい。あと6位のバニー姿のエコちゃんがとてつもなくカワイイですね。
もっとはっきり言うと、あのお尻にはパンドラハーツでは珍しい、
エロスさえ感じさせます。へ、変態じゃないよ!変態という名の紳士だよ!

望月先生はネタが枯渇しているとあちこちで嘆いておられますが、
この大暴れっぷりを拝見すると、アイデアの宝箱がまだ詰まっている気がしてなりません。
それに、笑えるネタは求められれば求められるほど、苦悩する痛みを伴いながらも、
その期待に応えれずにはいられないのです。サービス精神旺盛な人ほどに。
勝手な共感ですが、夢の国に一人で討ち入りした今の私なら、
前以上にお気持ちを察します。(どんな目線なんだよ)



望月先生へのインタビューと一問一答も興味深いです。
まず、「物語の流れは最初から決められていた通り」の話で驚愕しました。
その場その場で、読者を驚かせようとした結果だけで描いていたのだとしても、
パンドラハーツは十分に筋が通っているシナリオだと思いますが、
最初から、終わりの見えないどんでん返しの連続を想定して描いてたなんて…。

でも、よく考えれば、1巻から煽られたオズの罪や、アリスとの関係など、
謎めいたフリを全て辻褄が合うように解き明かす物語を描くには、
最初からあらすじと伏線を考えてなきゃ不可能かもしれませんね。
「どうにかして繋いだ」みたいな印象ではなく「全ては意図的に繋がっていた」
という印象だからこそ、起きてしまったどうしようもなく恐ろしい陰謀劇や、
耐えがたいほどの痛い真実も、読者は納得して受け入れてしまうのです。
全部が適当だったら、ただキャラを貶めれてるだけにもなりかねないのに、
そんな感じは全くありません。そこがパンドラハーツの魅力でしょう。

それから、望月先生が最初に買った漫画が『ダイの大冒険』というコメントには、
なんだか妙に合点がいきました。それを下地として考えてみると、
望月先生自身が意識して描かれてるかどうかはともかく、
パンドラハーツの根底に流れてるシナリオテーリングは、
ダイの大冒険に近いようなルーツを感じます。
ヘタレワカメも、ダイ大のポップぐらい逞しく成長する…かどうかは分かりませんが(笑)



他の見所としては、巻末スペシャル漫画として、Mの快感に目覚める
ドブネズミことヴィンスさんも面白いです。ドSでありながらドMといえば、
某吸血漫画の某魔王様を思い浮かべますが、こやつもその領域に入ったのか。
本編ストーリーでは、黒幕的な座をジャックに譲ってしまった感がありますが、
エイダやリーオとの絡みで、ネタキャラとしては大化けする可能性を秘めています。

その他、各キャラの豊富なエピソードから、望月先生の仕事場探訪から、
ドラマCDの原稿から、誰得なユラのファッションチェックまで、
あらゆるファン向け情報とネタの宝庫が詰まった1冊になっています。
パンドラハーツファンならば間違いなく買って損はないでしょう。
カイジファンなのに、巻末に収録されている幻のIF以外は特に見所がなかった、
某ファンブックとは雲泥の差ですね。(しつこいよ)




それではまたいずれ次回の感想で。

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コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
こんにちは。
待ってました。

シャロンの出番に食い付きましたか。
シャロンの出番はよく覚えていませんでしたが、月の騎士さんならそこに食い付くかなとは思いました。
レインズワース強いですもんね。天下統一(笑)確かにありそうです…。
ブレイク消えるとお思いですか?…消えてほしくないですね。
バルマ公はもう『アフォ毛』でいいと思いますよ。なんとなく。
個人的にはそこまでシリアスだなとは思いませんでした。
シリアスはいつものことなので。
オズ好きですけど、ラストは衝撃的でしたね。
100年前の真実とかオズの罪とかは気にならないのですが、現在のオズの孤独感が辛いです。
レイムさん忘れてましたか。(笑)
ジャックとグレン濃いですよね。やり過ぎだと思います。
私もどんでん返しは好きです。飽きませんよね。
オズとエコーは良い感じですよー。
学園ものでよくある、気さくな主人公に惚れた女の子のようなもので、恋愛っぽいですよね〜。
しかしまぁアリスを前にしては…オズとアリスの絆は家族愛のようなもので深いですからね…薄らいでしまいます。
「ギルはへタレワカメ」…笑わせてくれますね。
満月
2012/08/11 12:29
コメント続きです。
名言に作者コメントが入っているということに吹きました。
確かに名言っぽいですけど…。
小説など起承転結全てが載った作品ならともかく、漫画として17巻まで刊行されている作品で「濃厚なダークファンタジーをお楽しみ下さい」というのは酷だと思いますよ。
これまでに積み上げてきたものがありますから、これまでの話と今回のそれとはギャップが…。
本当の意味での滑稽な御伽話…はさすがに遠慮します。
シャロンの出番ですか。
ある回から突然何事も無かったようにシャロン達がティータイムとか始めたら(パンドラハーツ内の)世界が何者かによって改変されたか、そうでなければ作者が壊れたかと疑いますね。
無くはなさそうですしそれはそれで面白そう。

私も18.5巻はまだ全て読んでいません。
個人的には人物相関図が良かったです。
ちなみにミスとかも多いらしいです。フィリップが絶命したとか書かれていたらしいですが、存命してるとかで。
編集の勝手な解釈も混ざってるんですねー。
ああ…パンドラハーチュのあのジャックは嫌ですよね。パロディは苦手で。
月の騎士様は驚愕したと仰いましたが、私はそれでこそパンドラだと思っています。パンドラは全部計画を立てて作られていたからこそあんな驚きが生み出せるんですよね。そうでなければ私もハマりませんし、そういう作品が好きです。
ちなみに例のヴィンスですが、あれは以前も一度話題に出した(と思う)「妖狐×僕SS」という作品のメインキャラからのアイディアだと思いますよ。SでMとか『いぬ』呼ばわりとか。
ではお邪魔しました。
満月
2012/08/11 12:30
満月さんいつもコメントありがとうございます。
シャロンの出番に食いつく(正確にいえば、
出番がないことに食いつく)のは、
もはや義務だと思ってます。
誰に頼まれたわけでもありませんが。

ブレイクは消えそうな予感もしますが、
なんだかんだ今のパンドラチームで
一番精神的支柱として引っ張っていけるのは、
ブレイクなので、欠けてはならない
存在には違いないし、隠れ人気度も高そうなので、
予感が外れる方が可能性高いと思います。

そんなにシリアスは感じなかったですか?
私が今になってシリアスを強く感じてるのは、
ようやくパンドラの物語に没入してきたから
かもしれません。正直言って、序盤は
ネタになりそうなシーンを探すのだけに
力を注いでましたので…(笑)

エコーのオズに対する気持ちは
作中では珍しく普通に「淡い恋」と呼べるものでしょうか。
次点でヘタレワカメのエイダに対する気持ちも
それに近いですね。どっちも前途多難ではありますが…。
月の騎士
2012/08/12 19:31

名言に作者コメントを入れたのは、
コメント内容からいつもと違った空気を感じたからです。
名言とはちょっと意味合い違いますが、
ファンブックの望月先生インタビューと照らし合わせると、
行間の想いが伝わるかなと思いまして。

突然何もかも忘れてみんなでティータイム…。
本編でそれが描かれたら、批判が大変なことになりそうですが、
表紙裏やパンドラハーチェでなら、
いつだって実現可能でしょうね。
是非、ネタがうかばなかったら、ティータイムしながら
「シャロン先生のお悩み相談室」でも開いて欲しいです。
(キャラや読者の悩みにシャロン先生がずばずば答える的コーナー)

全て構想通りの物語とは、言葉で言うのは簡単ですが、
読者に行きあたりばったり感を与えないことを含めて、
相当な技術が必要と思われます。しかも望月先生は、
パンドラハーツがほぼデビュー作みたいなので、
よけいに凄いなと。

ああ、以前のお話に出た「妖狐×僕SS」という作品ですね。
すいません、まだ全く見れてないのですが、
パンドラハーツにも通じる作品なのですね〜。
情報と解説ありがとうございました。
月の騎士
2012/08/12 19:33

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