月の騎士の戯言

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zoom RSS 青LaLa(2012年8月号)感想

<<   作成日時 : 2012/07/21 09:05   >>

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2012年トリコロールLaLaの第1弾、青LaLa感想です。






2011年の黒LaLa、白LaLaがズバリヒットしたLaLa特別創刊号、
2012年は青、赤、白のトリコロールLaLaが創刊され
その第1弾となる青LaLaのテーマは「青春」だそうです。

「青春ってなんですか?」と尋ねられたら、まず浮かぶのは「部活」です。
それは自分が学生時代に打ち込んでいたから…ではなく、
まったくその逆で、自分が全く部活を満喫できなかっただけに、
部活に一所懸命に打ちこんでる学生の姿は、素直に感心するのです。

自分自身の青春を表現するならば、青春とは「何でもないことへの怠惰と激情」ですかね。
真っ当な「青春」を送ったとは言い難い生活をしてましたが、
それでも今現在の生活に比べれば、日常に起こる出来事に対して、
様々な方向に青い感情を抱きましたし、いろいろなフラグも転がっていたわけで、
学校という施設で繰り広げられる濁流に巻き込まれたことは、
望む・望まない、良い・悪いに関係はなく、「青春」と呼べる体験だったのかもしれません。
……青春って、そんなに堅苦しいものじゃなくて、時に甘酸っぱく、時にほろ苦くても、
全体的にはキラキラと明るく輝いてるイメージなのが通例だとは思いますが。

そんなわけで、一般的な「青春」がテーマになると、私にはあまり縁もなく、
共感できそうにないのですけど、そこは天下のLaLa増刊号です。
テーマとしては「青春」であっても、起こる出来事や潜む感情は様々であることを描き、
真っ当な青春を味わってない男でも、いや、真っ当な青春を味わってない男だからこそ、
妄想の花と考察の花が咲き、今回も全作品一気読みで楽しめました。
それでは掲載作品の中から、特に気になった10作品について感想を書きます。




〜夏休み00日目〜


夏休み前日の学校。
前から気になっていた男子と、ふとしたキッカケに二人だけの交流が生まれ、
たわいない会話のやり取りをしながら高まってゆく気持ち。
夏休みの時を一緒に過ごしたい素直な想いに駆られ、彼女は勇気をもって告白する。

以上、なんてことはない普遍的なストーリーです。
が、なんてことない日常のなんてことない普通の恋と告白までの過程を、
まさに「少女漫画の曇りなき青春像」のまま照れなく描いていて、
青LaLaのテーマに100%沿っているので、これぞ表紙&巻頭カラーに相応しい話ですね。
変化球ではなく直球ストレートにこれを選んだ編集者の目は確かです。(なぜか上から目線で)




〜魔法のゆび〜


どうしても気になってしまったので、
いきなり野暮なツッコミから失礼します。

西くんと川嶋くんの顔って、ほとんど変わりなくない!?

なのに一方(西くん)は万能美男として超モテ街道を歩み、
一方(川嶋くん)は「忍者かよ」なんてツッコミ入れられるぐらい影が薄い存在として扱われる。
この格差はなんじゃらほいと考えたところ、やっぱり愛想の違いだと思いました。
顔が同じ造形でも、にこやかに笑ってるのと、無表情で白けてるのでは大違いです。
自分にもそれが備わっていればあるいはもう少し、、、なんて思いもしましたが、
とはいえ、忍者川嶋くんには、なんだかんだ想ってくれる女子もいるし、
実はピアノが上手いモテスキルがあったりして、私と同類では全然ありません。

学生時代の青春なんて何か一つ変われば、それで世界は変わるのです。
そう、結局のところ、学生には青春を謳歌できる者とできない者、
その2種類しかないのです!できれば・・・・・学生時代に気がつきたかったぜ・・・・・。
(地下でイカサマチンチロとかやってる班長の調子で)




〜中一プロブレム(青編)〜


ボーズラブ!!!でお馴染み(いつまでも引っ張ります)の、
マツモトトモさんの作品だったので、きっと何かしらアレやソレ的な
要素が含まれてるんだろうな〜、と勝手な邪推をしたのですが、
それは誤解でした。マツモトトモさん、変なレッテルを貼ってすみません。

内容を簡単に書くと、机が隣同士になった男女が
ギクシャクしながらも交流していく、
中学生には至って普通にありがちな話です。
ただし、その描き方がひと癖あるというか、どうも普遍的ではないのです。
何か決定的な矛盾やおかしなところがあるわけではないですが、
会話一つとってもキャッチボールの様子が現実と漫画らしさの中間的というか、
ちょっとした独特のアクセントを入れてるように感じます。

これをマツモトトモさんが意図して描いているのか、
あまりにもボーズラブ!!!の衝撃が強すぎたせいで、
私の脳内に変な意識がこびりついてるせいかは分かりませんが。
そんな普通の設定だけど、あまり普通には感じない作品です。




〜ハツコイ日誌〜


ホンマに時計野はり先生はわてのツボをついてきまんなぁ!!(なぜかエセ関西弁)
良い意味で中二病全開な男子キャラと良い意味で根暗全開な女子キャラ、
どちら側からも感情移入できるし、また「日直」を扱ったテーマが良い!
ページ数は他の作品に比べて短めですが、そこに濃縮された物語は、
青春ならではの甘酸っぱさが有り、何よりもオチがこれぞ時計野はり先生の
フィニッシュホールドらしく決まっていて、この漫画の連載を読みたくなりました。
明るい純粋な意味での青春話としては、今回の青LaLa掲載作の中でダントツに良かったです。




〜このままじゃダメみたいです〜


この話の主人公が青春時代の自分と一番近いような気がします。
読みながら思い出したのですが、私にも学校のアイドルとまでは言わないまでも、
わりと男子人気の高かった女子と隣の席になったことが中二の時にありました。
当時は別に恋とかそういう意識をしてたわけじゃないけど、
その一時期は妙にドキドキしてたことも事実だったので、
あれも広義の意味では恋とよべる気持ちだったのかもしれません。

残念ながら、この話の主人公である長久くんのようなフラグも起きず、
その後も特に何かに頑張ることもなく(みんGOLとかブログを書くことは、
頑張ったと言えるかもしれませんが)、静かに慎ましく生きてきた結果、
一人で夢の国ロンリーツアーとか行っちゃってる現実を迎えてるわけですが。
……あーあ、10年ぐらい遅いけど、こんな愉快な未来の子孫が、
バナナの皮フラグ回収のためにやってこないかなぁ!
(その妄想がまさに「このままじゃダメみたいです」の意になってます)




〜花咲きカノン〜


この話の主人公、佐倉文音は男子高校生ながら女子高生作家として、
恋愛小説を執筆する二足わらじの生活を送る覆面作家です。
それって詐欺・詐称にあたらないの?と真面目なツッコミはさておき、
佐倉くんが恋愛小説を書く理由には、少女漫画を読んで感想を書いてる男として
共感しましたし、ちょっとばかり考えさせられました。
その動機や感情には、現実逃避の妄想を含んでいたとしても、
自分の内面に棲んでる純情性を言葉で表現することに、本当も嘘もないはずで、
それを読んだ誰かが共感したり、喜んでもらえるならば恥ずべきことではないはず。
やたら真面目な調子で書いたけど、本作はどっちかと言えばゆるい物語ですよ(笑)

細かいポイントとしては、ヒロインの美鈴が兄のことを
「兄ちゃん」と呼ぶのが何気に良かったですね。
見た目的にはいかにも「お兄ちゃん♥」と呼びそうなのに、砕けた呼び方のギャップが良いです。
妹萌えの属性は皆無だと自称してますが、ほんの少しだけ揺らめきました。




〜吐露〜


斉藤けんワールド炸裂!!ですね。
本当にこの人の作品は、心の奥底をギスギスと貫いてきますよ。
その抉られ方が心地よく、物語に没入してしまうのです。

名前も明かされないグズグズとした男子の感情を綴った自省録を
同じく名前も明かされない女子の真意に向けて語っていく。
最後のページに描かれた女子の泣き顔と、
最後まで周りくどくてはっきりしない男子の言い様が、
あまりにも泥臭く、だからこそ人間らしさに溢れて美しいのです。

「青春といえば?」の作者コメントで、
「海辺の坂道を男女で自転車二人乗り」なんて、本編の内容とは真逆な、
ごくありきたりな真っ当の青春シーンを挙げてることのギャップも効いてます。
斉藤けん先生、いろんな意味で恐るべし!




〜夏の涯〜


今回の青LaLaでベスト3を選ぶと、「ハツコイ日誌」「吐露」
そしてこの作品が入ります。その中から一つだけ、
個人的に最優秀賞作品賞を選ぶならば、この作品を推したいです。

「ハツコイ日誌」と「吐露」は、作者さんの名前からして、
読む前に一定の安心感を持っていたので、期待通りの面白さに値しましたが、
この作品は全くのノーマークだったにも関わらず、
切ないストーリーと木瀬の複雑な心情に惹き込まれ、
全く自分の持ってる世界観とは違うのに、深く共感して読みいれました。

この感覚とこの絵柄どこかで?…とデジャブな感覚がふと頭をよぎり調べたら、
白LaLaでも最優秀作品賞に選んだ「相愛メタフィジカ」と同じ作者さんだったのです。
もっと言えば、黒LaLaでも「祈り花」を優秀賞に選んでいたりして、
実は作者の林みかせさんの作品は、LaLa増刊で毎度心にヒットしているのです。
思い返せばどの作品も序盤は緩やかな展開ながら、少しずつ物語が加速し、
登場人物の心情が読者に溶け込み、後半にかけて一気に波が押し寄せてくる快作です。
ピッチングに例えると、初速は大して早くないストレートに感じるけど、
手元でグングン伸びて、切れ味抜群のカットボールに変わるみたいなイメージです。

短絡的に言ってしまうと『BL』と称してしまってもいい設定なのですが、
だからといって、それによって変な印象やツッコミをする隙を与えません
「友情」と「愛情」の狭間で揺れ動く普通じゃない木瀬の感情と、
二人の出会いから、気持ちの通じ方まで「泣ける」と言っていいです。
素晴らしきストーリーテラーだと思います。

また、二人の関係性を映えさせるための悪役として、
(心の)ブス女が、すごく良い働きを見せてくれます。
このブスあってこそ話が盛り上がったので、
今回の青LaLaで最優秀助演賞に選びたいですね。




〜アフター・ミーツ〜


「超ピュアラブ入門編」の煽り文句が内容にがっちりハマってます。
特に奇をてらったところもなく、内気な乙女の仄かな出会いを描いた話ですが、
最終的に行き着いた行動の結果が「挨拶」なのが、とても良かったです。
これが最後のシーンでいきなり告白だったら、普遍的過ぎて今一つ響きませんでした。
挨拶という現実的なステップと、声が上ずってしまう現実的な描写、
そして全ては始まったばかりで、その先の可能性は無限であること示すラストは、
読み手にも「自分だって!」と勇気を与えて、恋の一歩を促す役割を果たすはずです。
私が女子だったら、こういう漫画にこそ共感しそうです。いや、男子のままでしてるか(笑)




〜青春∞箇条〜


読んでる途中で、絵柄、男子の不器用さ、女子のコミカルな感じがリンクして、
「あ!これは白LaLaで雪女の話を描いてた人だな」と気付きました。
全般的にコミカルだけど、突如としてシリアスになったのも類似点でした。
ただし、今回は最後のオチをネタ的ではなく、きっちり美しい方向に完結させてます
コメディ的に、なかなかユーモアに富んでいて面白い作風だと思いますので、
もし枠があったらLaLaに短期集中連載でもしていただきたい作者さんですね。




こうして作品を挙げて感想を書いてみると、自分の好みや作風が分かってきますね。
黒LaLaや白LaLaでも挙げた作品と同じ作者さんを多く挙げてますし、
特にLaLaで定期連載をされてないだけに触れる機会は多くないものの、
斉藤けん先生、林みかせ先生は、短編では確実に私のツボを突いてくれるので、
今度はコミックスを買って読んでみたいと思います。

次回、赤LaLaは9月10日の発売だそうです。
今度は「青春」から一転して、「本能と官能」がテーマみたいです。
黒LaLaじゃないけど、わりとダークな方向性の作品が集まりそうで期待大です。
「赤」と「黒」といえば、われらが樋野まつり先生のお名前を浮かべてしまいますが、
今のところ名前をお見かけしないので、おそらく掲載はないとみて残念至極です。
いや、LaLa本編であれだけ濃厚な「赤」と「黒」の物語を描かれておられるので、
ここは逆に11月の白LaLaでの「私とパン屋2」的な作品を期待するとしましょう。

それではまた9月の下旬頃、赤LaLaの感想で!

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コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
こんにちは!私にもなかった青春がいっぱい詰まった青ララ面白かったですね。何で青春を味わえる人とかすりもしない人がいるんですかね。
「夏休み00日目」はJKのおみ足を拝めていやっほーとなったのですが、どうも私だけだったようです。「魔法のゆび」のキャラの顔一緒という遠慮のない突っ込みがまた…よく見るとイケメンは目が切れ長の爽やか系なのです。仲野さんは「もててたーてへー」というノリが好きです。「このままじゃダメみたいです」を読んで思ったのですが男キャラ主人公でもOKというのがララの良さだなーと思います。
そして最後にツッコミですが、斉藤さんは正式には「斎藤」なのです!?そして便乗して私は昌ではなく「晶」なのです!私のことは置いておいて、斎藤さんはLaLaDXでは「プレゼントは真珠」というコメディ漫画を描かれてまして、読切ではなぜか暗い話が多いという振れ幅がすごくてまた釘づけになります。
次に発行される赤ララも楽しみですね!

2012/07/21 15:45
晶さんコメントありがとうございます。
これまで昌さんと誤まって打ってしまっていた様で、
大変失礼しました。
斎藤けん先生にも併せて失礼しました。
ツッコミを入れる者としてのわきの甘さ、
もっと精進します。まあでも、
そういう勘違いが、それが私の天然的な
魅力と思ってもらえれば(自分で言うな!)

JKのおみ足……ホントだ!バッチリ見えてますね。
男としてそこに全く反応しなかったのは反省すると共に、
気持ちが少女化した表れなんだと勝手に納得します。
顔が同じと書きましたが、よ〜く見ると、
イケメンの顔の方が女子に好かれそうな雰囲気は仄かに
感じます。忍者の方はやっぱりちょっとだけ暗いですね。

斎藤先生はコメディな話も描かれてるのですね〜。
読み切りからのイメージだと想像しにくいですが(笑)
とりあえず、おススメをいただいた「花の名前」
を読んでみようと思ってます。
月の騎士
2012/07/22 09:14
お返事ありがとうございます。
まさかのボケ!「花の名前」はシリアス作品でございます…。特に3巻は読切に通じるシリアスさ全開です。そちらも面白いのでお勧めですが、コメディ作品は「プレゼントは真珠」でございますよ。

2012/07/22 18:46
晶さんコメントありがとうございます。
ああ、「花の名前」はシリアスな作品なんですね。
その方が逆に安心して読める感はありますが、
何れコメディ作品の方にも手を出してみたいです。
情報ありがとうございました〜。
月の騎士
2012/07/23 09:24

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