月の騎士の戯言

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zoom RSS MYブクログ大賞【2011】

<<   作成日時 : 2011/12/23 10:06   >>

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2011年に読んだ本の中からベスト10を発表します。



最初は、2011年に読んで面白かった本と、書いたレビューが良かった本を、
分けて掲載する予定だったのですが、自分のレビュー評価は難しいので、
ふつうに読んで面白かった本(一部レビュー内容も加味してますが)を、
ベスト10形式で紹介することにしました。

では、10位〜1位を一気にご紹介します!



第10位:悪夢のクローゼット


「悪夢シリーズ」はだいたい読んでいるが、「悪夢の観覧車」に次いで面白かった。
主人公は甲子園で時のヒーローになった高校球児で、付けられた呼び名が「キラキラ王子」。
明らかに誰かを風刺しているが、その主人公には「裏の顔」がある設定。
主人公のみならず、登場人物の「裏の顔」が鍵を握るストーリーになっている。
逆転劇としては、ある程度読めてしまう(特にサブタイトルはちょっと迂闊な気がする)が、
展開の流れは良くて結末はスッキリした。
特に裏主人公の過去と葛藤には感情移入してしまった。
ちょくちょく出るアインシュタインの名言との対比もグッド。

人物像の描写は分かりやすく、すいすい読める文章で、「悪夢シリーズ」を読んだことない方にもオススメ。
もちろん識者には作品間の繋がりが分かる小ネタも仕込んであるので、シリーズファンも満足できる。





第9位:純情パイン(完全版)


10年前、週刊少年ジャンプを毎週買って、熱心に読んでいた頃、
この漫画「純情パイン」は、突如掲載された。

独特の絵と設定、シュールと形容するしかないギャグは、
当時中坊のガキだった私の理解できる範囲を超えて、
読んだ印象は「なんだこれ…」だった。

しかし、その奇妙な存在感は、当時の学校内のジャンプ読者間で広がり、
「円の動き」「交換日記を二往復」「オナップ星人」
などの言語は一部で流行した。
わずか13話でのロケットで突き抜けた打ち切りと共に、すぐに忘れて廃れたが。

その後、週刊少年ジャンプを読んでいた頃の思い出に耽る時、
この漫画のことを、なぜかまれに思い出すことがあった。
熱中して読んだわけでもなく、特別に面白いと思ったわけでもないが、
記憶の中には、この漫画で植えつけられた何かがあったのだ。


あれから10年経ち、今回の復刻で改めて読んでみた。
感想は「なんだこれ…」ではなく、「ふつうに面白いぞコレ!」である。
おそらく一般的には、とても「ふつう」ではなく、
今のジャンプに連載されて、今の小・中学生が読んでも、
きっと「なんだこれ…」と感じて、すぐに打ち切りになるだろうが、
10年経って、自分の趣味・趣向はこれを「ふつうに面白い」と感じる様になってしまったのだ。

そして、作者の尾玉なみえ氏が、当時は若干22歳のうら若き女性にも
関わらず、このような漫画を執筆されていたことに衝撃を受けた。
まさに早すぎた天才、いや早すぎた変態だと思う。
他の尾玉なみえ作品を衝動買いしたくなってしまった。

これから週刊少年ジャンプの思い出を語る時が来れば、
この漫画のことを毎回持ち出してこようと思う。
例え伝わらなかったり、引かれたりしようとも。





第8位:しごとのはなし


書店でたまたま見かけて、題名に惹かれたのと、
久しぶりに太田光氏のエッセイ著書を読みたくなったので購入。
同氏が自身のことや身近なことについて、
好きな本や映画、芸人談などを交えて、自由に語る内容になっている。
爆笑問題の活動や太田光の人物像に全く興味がなかったり、
芸風が好きではない人には、面白くもなければ、
ためにもならない、というか読む気もしない本だと思うが、
氏の生き様や感性に共感する人(自身含む)には、
爆笑問題として、また文化人としての太田光の思想や趣向が、
切り口は鋭くも、語り口はソフトタッチで緩やかなので、
太田光の白い魅力が出ていて、面白く興味深い本だと思う。





第7位:白LALA 2011年 12月号




レビュー:白LaLa(2011年12月号)感想





第6位:黒LALA 2011年 10月号




レビュー:黒LaLa(2011年10月号)感想





第5位:虚構推理 鋼人七瀬


城平京氏の新作小説。
『名探偵に薔薇を』のファンであれば、
「七瀬」というキーワードにピンと来てしまうが、
その七瀬と、この話の七瀬は全くの別人であり、
共通点や関連性もないので、その点はご注意召されよ。

登場人物や全篇のノリとしては、
『スパイラル〜推理の絆〜(小説版)』に近い。
頼りにならなそうで実は頼りになる
ワケ有りの優男を巡って、
ひと癖もふた癖もある少女と、
苦労と不幸が絶えない美人警察官の
三角関係が軸になるストーリー。
それぞれスパイラルの「あるキャラ」を思い出す。

ミステリーとSFが融合した内容だが、
(個人的にはどちらかと言えばSF色を強く感じた)
特筆すべきは、「虚構推理」という概念。
この物語は、絶対の真実を突き付けるのではなく、
虚構を重ねることで、それを人々の中で、
それぞれの真実にしてしまうことにある。

カバー裏には、「時々笑って読んでください」とある様に、
城平京氏らしい、身も蓋もない発言や、
人をくったような表現や、妙におもしろおかしい言葉遣いも健在で、
全てが終わった後の、品のなさすぎるセリフは特に笑えた。

『虚構推理U』もありえそうな落とし方であったし、
『名探偵に薔薇を』に近いシリアスな作品も読みたい。
どちらにせよ、是非また近いうちに小説を出して頂きたい。
城平京氏の作品を待ち望んでいたファンの方は是非。





第4位:ダンガンロンパ/ゼロ(下)


上巻以上に、圧倒的なサイコ感が蔓延するダークフルな物語。
音無涼子の一人称は、間の抜けた軽い感じで変わらないが、
繰り広げられる物語に緩和はまるでなく、緊張感しか続かない。

『ダンガンロンパ』らしいバッドエンドは期待していたが、
全てが明かされた後のエピローグは、バッドエンドを越えたデッドエンドで、
読者を期待の絶望に叩き落してくれる。
さらに突然の狂気染みた発言、謎に包まれた人物達が持つ幻想、
収束に向かうにつれ繰り広げられる逆転の連鎖、時折出るブラックジョークなど、
どこを切り取っても黒の面白さを兼ね備えている。
『ダンガンロンパ』をプレイしていて、あのストーリーと世界観を面白いと
感じた人にしかオススメはできないが、それだけにファンには堪らない、
突き抜けた『超高校級の絶望』な物語が保証されている。

ラストのどんでん返しから『ダンガンロンパ』の物語への見事な繋ぎ方も素晴らしく、
また『スーパーダンガンロンパ2』への伏線らしき設定も有るため、
作品単体としてだけでなく、それぞれがリンクして楽しめるのもポイント高し。





第3位:荒木飛呂彦の奇妙なホラー映画論


ジョジョの奇妙な冒険でお馴染み、荒木先生のホラー映画論。
ホラー映画に対する愛と、「恐怖」という感情から派生する面白さに対する拘りが伺える。
映画レビューとしても、「これは見たい!」と思わせる語り口と各シーンの解説描写が絶妙で、
(ホラー)映画初心者でも、紹介されている映画に興味を惹かれる。

ジョジョファンとしては、『ミザリー』がお気に入り第3位に挙がっていることにも、
第4部の山岸由花子を知っているとニヤリとしてしまった。
その他にも、ジョジョに通じる世界観やキャラの解説があるので、作品ファンも必見。

個人的に気になった映画を幾つか挙げると、『ミスト』『脱出』『クライモリ』『スクリーム』『フォーガットン』etc…。
それぞれ機会があれば見てみたい。





第2位:恥知らずのパープルヘイズ −ジョジョの奇妙な冒険より−


フーゴ視点で第五部の分岐点となった場面をリフレインさせながら、
その後の世界を迷いながらも生き抜く姿が描かれている。
フーゴだけでなく、新キャラのシーラEも魅力的であるし、
また敵側にも濃厚なストーリーが用意されている上に、
随所にジョジョファンがニヤリとする小ネタが仕込まれていたり、
「ジョジョの奇妙な冒険」の小説として、世界観が完成されている。

第5部本編では、活躍の場面も少なく、一脇役に過ぎなかったフーゴだが、
その知られざる過去と想いには、胸を打つ場面が多く、
シーラEと併せて、キャラの特徴と魅力がよく出ている。
ナランチャが「トリッシュの傷はオレの傷だ!」と言って、
ブキャラティ達について行った決断を理解して、
「裏切り者」からの一歩を踏み出す場面は特に感動的。

小説のため展開する物語を主軸としていて、
スタンドのバトルシーンに関しては控えめな印象だったが、
ジョジョはバトルよりもサイドストーリーが好きなので、むしろ好印象。
ジョジョの奇妙な冒険を全く知らないと楽しむのは難しいが、
ファンならばただの番外小説に収まらないクオリティを感じる傑作である。





第1位:悪の教典(上)


貴志 祐介
文藝春秋
発売日:2010-07-29

この本を自分が高校生の時に読んだとしたら、
より恐ろしく、そしてより面白く感じたのではないかと思った。
なので、ホラー・サスペンスに、ある程度の耐性と興味が有り、
自我と自制心を持って、現実と空想の区別が付く高校生には、超オススメの作品。
それ以外の人は、身も心も大人になるまで読まない方がいいかもしれない。
それぐらい、この作品の物語は刺激が強い。

上巻の大筋としては、授業は楽しく、トラブルを次々に解決してくれる、
先生にも生徒にも人望のある「理想の良い先生」である蓮実が、
知能、情報、人心掌握術を使って、己の欲望を満たし、
邪魔者を排除していく。最初から異常なのではなく、
徐々にその本性を現し、行動や存在がスケールアップしていく展開は、
圧巻で恐ろしくも、引き込まれてしまうゾクゾク感がある。
また、上巻の内容は、ホラー・サスペンスだけではなく、
ミステリーとしても成立している、先の展開と謎を読む面白さがある。

蓮実の欠点は、作中にて「他者への共感能力がない」と
説明されているが、大小があれ共感能力の欠如を
持っている人は少なくはないだろう。私も共感出来てしまう点はあった。
(共感できないことに共感するのも皮肉で不可思議な話だが)
しかし、蓮実が常人から極めて逸脱しているのは、
自分の思考が「可能」と判断すれば、それが殺人という手段であっても
何の躊躇いもなく(一部例外はあるが)、即実行に移す点である。
そんな蓮見による善悪の判断基準の異常さによって、
恐怖のサイコパスは生まれ、作品の怖さに繋がっている。




各本の感想については、ブクログのレビューに記しているので、
改めて多くは書きませんが、ランキングに関してなどの補足を少々。


10位は、どの本にしようか一番迷いました。
2011年の前半に読んだ本をもっと深く振り返ってみれば、
他にも挙げたい作品はあったと思うのですが、
わりと最近読んだので記憶に新しく、また普通に面白かったし、
誰にでも薦められる作品として、『悪夢のクローゼット』をランクインさせました。
この本は、今回のベスト10中、唯一ほとんど相手を選ばずに薦められる本ですね。


9位の『純情パイン』は、レビュー賞としての意味も込めてます。
ブクログレビュー集の記事でも書きましたが、
この本のレビューは、自分の中では満足ゆく内容で書けたので。
もちろん漫画としても、今年のベスト10に入れて問題ないぐらい面白かったです。
ただし、この独特の世界観には、好き・嫌いがはっきり分かれるでしょうけど。


8位の『しごとのはなし』は、太田光氏のエッセイです。
久しぶりに太田さんの著書を読んで、生き方や感性には共感してしまう部分が多く、
考え方の参考にもなったので、本としてどうとか、オススメ云々よりも、
個人的に読後の満足感が高かったので8位にしてます。


7位、6位は、月刊LaLaの35周年に記念創刊された『黒LaLa』と『白LaLa』を並べて。
LaLaファンはもちろんのこと、ほぼ全て新作読み切りのため、
普段はLaLaを読まないご婦人や、果ては少女漫画に縁の無い男性諸氏でも、
適正のある方は楽しめると思いますし、これキッカケでハマってもおかしくないです。
レビューはブログ記事に詳しく書いたので、そちらの記事をご覧いただけば幸いです。


5位は、2011年で最も事前の期待値が高かったと言っていい、
城平京先生の最新小説、『虚構推理』です。
順位としては5位にしてますが、ジャンルを『ミステリー』に限定するならば、
2011年のベスト賞でした。次回作の発表を首を長くして待ちたいと思います。


4位は『ダンガンロンパ/ゼロ』です。ゲーム『ダンガンロンパ』の世界観そのままに、
私のダークな趣味・趣向にピッタリ合致した、最高に絶望的な物語でした。
ゲームをやって面白かった人には絶対的にオススメなんですが、
ゲームをやってない方、または世界観に引いてしまった方には禁書です。


3位と2位は、『ジョジョの奇妙な冒険』絡みです。
3位は、タイトルの通り、ジョジョファンにはお馴染みのアラーキー先生が、
ホラー映画の魅力を語ってる『荒木飛呂彦の奇妙なホラー映画論』です。
この本に解説が書かれていた、『スクリーム』を実際に見たら、
最新作を映画館に見に行くほどハマってしまったので、
ホラー映画初心者の方でも、読めば見たくなる素晴らしい解説本だと思います。
2位の『恥知らずのパープルヘイズ』は、「ジョジョファンとして買って読んでおくか」
みたいな感じで、実はそこまで期待してたわけでもなかったのですが、
読んでみたら、ジョジョに対する愛が溢れる第5部その後の世界が広がっていて、
漫画の第5部を再読してしまったほどに完成度の高い小説でした。
ジョジョファンを自負する方は、普段小説を読まなくても絶対に買った方が良いです。


最後に栄えある1位は、『悪の教典』の特に上巻です。
10位から2位までは、キレイに2011年に発売された本として揃ってるのに、
1位だけ2010年に発売された本というのは、若干気持ち悪い感じもありますが、
今年読んだ本の中で、抜群に面白かったので外せず1位にしました。
最近はノベルス版も発売して、多少はコンパクト(でも分厚いけど)になり1冊で楽しめるので、
未見の方もこの機会にぜひ。レビューに書いてる通り、刺激は相当強いので、
ある程度の読む覚悟は必要ですが。


以上、2011年のMYブクログ大賞でした。
来年以降、ブクログレビューをどういう扱いにするかは未定ですが、
本は変わらず買って読むと思うので、このような年に1度(あるいは半年に1度)に、
ランキング形式で紹介する形は継続したいと思ってます。
皆さんのオススメ本がありましたら、ぜひぜひ教えていただければ嬉しいです。

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