月の騎士の戯言

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zoom RSS 白LaLa(2011年12月号)感想

<<   作成日時 : 2011/11/27 09:35   >>

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白きLaLaの世界へようこそ。






LaLa35周年記念創刊として、黒LaLaに続き白LaLaが11月11日に発売されました。
黒LaLaで雑誌の形式は把握していたので、今回は店頭で探し回ることもなく、
すぐに見つけて手に入れることができました。
違いとしては。黒LaLaは一見すると少女漫画と判断がつかないような表紙でしたが、
白LaLaの表紙は少女漫画らしさを出しながら、「白」をこれでもか!と押し出す体裁で、
洗練されている感じが良いですね。これも男でも手を出しやすいですよ。
黒LaLaと横に並べたりすると、「黒」と「白」のコントラストが美しく映えます。

黒LaLa感想の最後に、「白LaLaの感想は黒LaLaと真逆になるかも」と、
予見していました。というのも、白LaLaは成人男性が恥ずかしくなるぐらい、
あっま〜〜いコテコテの少女漫画テイストな作品が中心になって、
私のような性根がひねくれた奴は、イマイチ感情移入しきれないのではないか?
と考えたからです。なので、黒LaLaを読む前にあった期待感よりも、
白LaLaに関しては、わりと不安の方が大きかったのです。
そんなわけで、黒LaLaはわりと真面目に作品の感想を書いたのに対して、
白LaLaでは、通常のLaLa感想のようにツッコミシーンを中心に取り上げて、
全体的にふざけた感じの感想になることを想像して、そう書きました。


で、実際に買って読んだ感想としては……。


さっすがLaLa!!


はい、良い意味で完全に裏切られました。
確かに黒LaLaとは対極的に、表題通りに「どこまでも純粋な優しい感動作」
が描かれているのですが、私の想像したコテコテの内容とは違って、
感動の中にも切なさがあったり、甘さの中にもほろ苦さもあったりして、
一捻り、二捻り加えられた作品が多く、全く問題なく楽しめました。

パーフェクトな超イケメンと、何の不幸もない平凡な女子高生が
恋愛してなんだかんだで最終的にハッピーエンドで結ばれるだけの話を、
「白LaLa」として提供されてもアンテナは立ちませんけど、
このようなテイストの「白LaLa」ならば、ひねくれた男の心も冷めさせません。
いつものLaLaクオリティをしっかり保った上で、白きLaLaとして成立してます。

また、私の奥底にある「白」を欲する気持ちとマッチした部分もあります。
普段はバイオレンス、絶望、不条理シュールなどを好んでいると自負してますが、
なんだかんだで、その真逆な感動や純愛も求めてたりもするのです。
その証拠に、毎月のLaLa感想で「学園ベビーシッターズ」を絶賛してるわけですし。
自己内部に隠されていた純真な気持ちが覚醒したかのごとく、
何の照れもなくスイスイ読んで、普通に感動してしまいました。


ということで、黒LaLaに続き、白LaLaも全作品読みました。
これは黒LaLaを読んだ時も思いましたが、読み切り限定掲載だと、
事前に変な先入観を持たないし、全て同列の感覚から読み始められるので、
良いですね。個人的に漫画の楽しみ方としても性に合ってます。
LaLaに限らず、こういった読み切り限定の雑誌が創刊されたら買いたくなりました。

それでは以下より、今回も黒LaLaと同じく、
掲載漫画から特に印象に残った作品について、
感想を書いていく形式でお届けします。




私と不機嫌なパン屋さん


えっ、樋野先生!?
どうしたんですか樋野まつり先生!!??
一体何がどうしちゃったんですか樋野まつり先生!!!???


すみません。驚きで取り乱しました。
改めて確認しますが、ヴァンパイア界の愛憎や闇と陰謀が渦巻く、
ブラッディ&ブラック&昼ドラな物語で、ゲロ甘なセリフを吐く変態魔王とか、
世界を牛耳りたい極悪の女帝とかが出てくる、あの漫画を普段描かれている、
我らが樋野まつり先生ですよね!?

そんなお方が、何をこんな……こんな……こんなぁ!

こんなすばらしく心温まる話を描いてるんですか!!


これはヤバイですよ。ちょっとマジで泣きそうになっちゃいましたよ。
話としては、就活に疲れた女子大生が、子供の頃にパン屋の不機嫌なオッサンに
偶然出会ってからの思い出を回想しながら、いざ懐かしの場所を訪れると…、
という、ただそれだけの話なんですが、それがめちゃくちゃ良いのです。
あのパン屋の不機嫌なオヤジは、顔は白LaLaに出てきた中で、
ダントツのコワメンだけど、内面は抜群のイケメンですよ。

でもよく考えてみれば、ヴァンパイア騎士にも、
アニメオリジナルキャラながら、ラーメン屋の親父という、
零に味玉とライスとサービスした伝説のキャラ
がいたわけで、
樋野先生の渋いオヤジ好き(失礼)は、今に始まったことではない気がします。


私は家の近所にそれなりに品ぞろえの良い書店と、
美味いパン屋さえあれば、とりあえずそれで良いと思ってるぐらいの、
パン屋フリークですし、しかもヒロインが就活で傷ついた女子大生の設定にも、
自分と照らし合わせて感情移入できるし、シチュエーションが100点なわけです。
おまけにそれを、あの樋野まつり先生が描いてしまったなんて、
1995年当時のFFとDQと鳥山先生が手を組んだクロノトリガー並の最強布陣ですよ!!

2011年の月の騎士的、「このマンガがすごい!」にノミネートさせたいです。
樋野まつり先生のファン、ヴァン騎士のファン、パン屋好き、無愛想なおっさん好き、
あるいは就活(その他諸々の事情)で疲れた方も、ぜひぜひ読んでみて下さい。




わすれ雪


物語のネタバレに抵触してしまう話で、すみません。
私はいわゆる「妹萌え」的な趣向はまるで持ってないんですが、
だからこそか、この作品のテーマは響きましたね。
こういう感じで、兄から見た妹という存在を扱われてしまうと、
一応妹がいる兄の1人として、いろいろと思う所がありました。




相愛メタフィジカ


『私と不機嫌なパン屋さん』は、ちょっと反則級の要素が揃ってるので、
それを除くとすれば、個人的に今回の白LaLaで最優秀賞はこの作品です。
序盤はそれほどでもなかったんですけど、途中から「あら、いいですねぇ」
と右肩上がりになってきて、終盤からの伏線回収は見事の一言です。
特に最後のオチと言葉は、手が出ない抜群のストライクゾーンに来ました。
オチとか展開を少し変えれば、黒LaLaに掲載できる作品にもなったと思うのですが、
そんな切ない設定を使いながら、白LaLa的な作品に仕上がってるのも技量を感じました。




魔法使いと恋の媚薬


孤独で人嫌いな魔法使いが、縁あった少女に自分を好きにさせたい人がいるから、
惚れ薬を作って欲しいと頼まれ、だんだんその少女に心惹かれて苦悩するストーリーで、
途中まで読んだ見立てだと、「はいはい、実は好きにさせたい人は、
魔法使い本人だったっていうオチね」と決めつけていました。
ところがそんな安易な想像を裏切られ、予想外な方向に転がったので、
良い意味で「してやられた」感があった作品です。
ちなみにクロウとバニラの関係性もわりと好みです。




See You again


これは逆に、ラストをどう持っていくのか読めなかったんですが、
短いページ数の中に、しっかりとした伏線と構成があり、
ラストシーンも、ちょっと考えさせられるような余韻を残す形で、
率直に「描き方が上手いなー」と思った作品です。




たいようの雪


特に奇をてらったテーマもなく、言ってしまえばよくありそうな御伽話で、
あんまりLaLaっぽい雰囲気の作品でもないのですけど、
ローズが心を開いていく過程と最後のシーンは白LaLaのテーマに相応しく、
男が泣ける度合いで言えばベスト3に入ると思います。




裁きの門


失礼な書き方になってしまうかもしれませんが、
「すごく惜しい」という印象を持った作品ですね。
最後のオチに関する部分、といっても終盤の展開やラストシーンそのものではなく、
ランスが悪魔である避けられない事実と、そのための制約と罰に関しての結末を、
もう少し捻るというか、腑に落ちる形にまとめてさえくれれば、
もっと高評価(最優秀作品の候補ぐらい)になった気がしてなりません。
そこだけが、妙にご都合主義な感じに見えてしまったのが残念でした。

逆に言うと、物語はよく練られていて、緊張と緩和のバランスも丁度良く、
全体的な完成度としては文句がないだけに、
そこの違和感が目立ってしまったのかもしれません。
最初から一貫して全部ご都合主義なら、そもそも指摘しませんし。
あるいは、そこで妙に説得力を出すと、白LaLaではなく黒LaLa的な
雰囲気になってしまうことを見越して、そこはあっさりさせたのかもしれませんが。
まあ、個人的な印象なので、「どこがダメなの?」と思われる方もいて然りですし、
残念だった部分を抜きにしても面白い作品だと思います。




雪色恋景色


今回掲載されている全23作品の中でも異彩を放っていた作品です。
雪女とやさぐれ男が繰り広げる独特のコント的な会話は面白く、
コメディスタイルの作品は、KY佐伯や、のれしおじさんでお馴染みの
(本当は「恋だの愛だの」でお馴染みですので念のため)
辻田りり子先生の作品、「花嫁貸し出し中」など、他にもありましたが
白LaLaであることを意識してか、それでも最後はロマンチックに締め括ってます。
しかしこの作品は、途中シリアスな展開を迎えながらも、
最後のオチをネタ的に締め括ってるのは、極めて異例のことではないかと。




恋降るバス亭


ぶっちゃけ言いますと、この作品は特別に面白かったわけでも、
個人的に好みだったわけでもなく、何の変哲もない、
ふつ〜〜〜うの少女漫画らしい設定、展開、オチです。
ではなぜ、わざわざ取り上げるのかと言えば、
黒LaLa、白LaLaと、数々の濃厚な物語を堪能してきた中で、
一番最後にこの作品が掲載されてるのは、例えるならば、
高級料亭で最後に出てきた薄味のお茶漬けみたいな感じで、逆に印象的でした。




白鍵


今回も最後はやっぱり伝説の「ボーズラブ!!!」でお馴染みの、
マツモトトモさんの作品を紹介して〆とします。
黒鍵を読んだ方は、読む前からきっと察しがついてたと思いますが、
やっぱり、一部の御婦人方が腐ってしまうほどに愛でられるような内容です。
ええ、オブラートに包んだようで、余計に怪しい表現になってしまいました。

タイトル通り、黒鍵とリンクした内容ですが、
とはいえ、黒鍵ほどにモロなシーンはありません。(あれやこれやを匂わせはします)
でも、どっちかと言えばオチとしては、今回の方が黒LaLaに相応しいような気もします。

余談ですが、「制服図鑑」という本の宣伝文に
「ちょ濃いめですが家族に見られてもセーフなかんじの中身です」
と書かれているのですが、失礼ながら、ボーズラブ!!!と、
黒鍵、白鍵を読んだあとでは、それが全く信用できないのですが…。
まあ、もうすぐ25になる男からすれば、少女漫画である時点で家族に
見られたら「セーフなかんじ」ではない
わけで、要らぬ心配でしょうけどね!




以上、黒LaLaと同じ数、9作品を抜き出して感想を書きました。
選出して書きませんでしたが、他に表題作になってる『WILD WING』や『銀世界の証明』も、
純愛に辿り着くストーリーに切なさがちょっぴり加味されていて、良かったです。

黒LaLa、白LaLa、どちらも共にすこぶる良かったので、
またの機会に第2弾の創刊を楽しみにしてます。
もしくは、「赤LaLa」とか「緑LaLa」とか(某きつねとたぬきかよ!)
「黄金のLaLa」とか、新シリーズの展開も期待します。

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