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zoom RSS 今月のアニメ・漫画評:おあとがよろしいようで(あだち充漫画最終回集)

<<   作成日時 : 2011/04/28 09:06   >>

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初回にして、いきなり最終回の「今月のアニメ・漫画評」です。


当ブログの新スケジュール(4月初め時点)としては、
毎月木曜不定日は、「今月のアニメ・漫画評」と題して、
毎月何かしらのアニメ・漫画について書いていく予定でした。
が、その後色々と考えた末、今後「漫画」に関しては、
「ブクログ」というサービスを使っていくことに改めようと思います。

詳細については、5月初めの日記でお知らせしますが、
今のところ、「フリースペース」にしていた枠をブクログ枠にして、
ブクログに書いたレビューを、1月に1回まとめてブログで紹介するような形を考えてます。

マイブクログページ(ブログトップページからも飛べます)
月の騎士の本棚



というわけで、今回紹介する「おあとがよろしいようで」が、
ブログだけ独立した形での漫画紹介としては、最後になると思います。
来月以降の当枠についてですが、詳細は未定ながら、
「アニメ・漫画評」から、「アニメ・ゲーム・映画評」に変えて継続する予定です。
これについても詳しくは、5月初めの日記及び、来月の当枠をご覧ください。

それでは前置きが長くなりましたが、
表題の本「おあとがよろしいようで(あだち充漫画最終回集)」から、
あだち充漫画全体と個々の作品などを語ります。


画像



まず最初に、私が読んだことのあるあだち充漫画を以下に羅列します。
(第1話から最終話までの全話読んでないものでも、
自分の中で読んだ部類に入ると感じた作品は含めてます)

・みゆき
・タッチ
・H2
・KATSU!
・クロスゲーム


こんな具合ですね。
最初に読んだのはタッチだったと思います。無難なチョイスでしょうか。
いつ頃に読んだか、正確には忘れましたが、たぶん中・高ぐらいだったかなと。
現在、漫画を所持しているのは、H2、クロスゲームの全巻と、
タッチ、みゆきとショートストーリーが入ってる「あだち充コレクション」という雑誌の一部です。
KATSU!も全巻買ったのですが、諸事情(特に事情もないけど)で売ってしまいました。


あだち充漫画の印象としては、素直に憧れて感情移入できる爽やかな青春漫画
という感じです。たぶん世間一般のイメージと同じでしょうね。
ただし、私のような腐った青春の思い出しかない、「カイジ」とか「あしたのジョー」とか、
爽やかさとは程遠い男くさい漫画をバイブルにしてるような奴でも、
あだち充漫画の青春感には何の違和感もなく、「いいなー」と思えることは、
特筆したいです。自分のトラウマをえぐられるような感覚でもなく、
自然と物語に入っていけるのは、あだち充漫画だからこそです。


なぜ、あだち充漫画には、素直に感情移入できるのか。
一つは、登場人物の多くが等身大の高校生であり、
描かれているシーンの多くは身近な日常なので、リアルさがあるのです。
それでいて、ヒロインはリアルではないぐらい理想的に可愛らしい。
大人らしい色気でもなく、かといってロリとか萌え的な感じでもない、
「高校生らしい健全な絶妙の可愛らしさ」があると思います。

南ちゃん(タッチ)とか、香月(KATSU!)みたいな幼馴染が居たら…
という妄想は健全な男子なら、いや健全でない男子でも、して当然でしょう(笑)
あ、でも個人的に、一番好きなのは、小山内美歩(H2)なんですけどね。
最終的に木根とくっついたことまで含めて、良いキャラでした。


それと、作風が時代をあまり感じさせない(どの時代にもある日常)ので、
いつ何時どのタイミングでどの作品を読もうが、古さを感じません。
まあ、私が現代の青春とリンクしてないから、というのもあるかもしれませんが(笑)

また、青春に変な熱血感がなくて(本書でも熱血へのアンチテーゼは語られてます)、
主人公も「やる時はやるけど、基本的にやる気なくてそっけない感じ」なので、
しつこくありません。セリフで語らない部分は、微妙な気持ちを風景などの情景描写で、
表していたりするので、物足りなさも感じないのが漫画技法の妙ですね。

あだち充漫画の多くは、主人公とヒロインの恋愛模様を軸に、
個性的な仲間達が、何か(主に野球などのスポーツ)を通して、
交流や成長する様子を描いた、よくありそうな普遍的なストーリーです。
しかし、独特の間使いや、セリフだけでない形で登場人物の心情を描いてるため、
物語の読み方が一通りではなく、読者に想像を促しているため、
ストーリーは普遍的でも、「あだち充漫画」という固有の世界観になってます。
その他にも、作中で起こる突然の悲劇だったり、サイドストーリーの面白さだったりと、
あだち充漫画の特徴や良さは数多くありますので、それは各処探して頂ければと。




今更なあだち充漫画の解説をクドクドと書いてしまいましたが、
今回表題にした「おあとがよろしいようで」は、あだち充漫画の最終回を集め、
それに、あだち充氏本人とその識者の解説を盛り込んだ本です。

私は最終回、というか「オチ」にはわりと拘る方で、
ミステリーなんかでも、劇的なオチ読みたさで、読んでる部分もあるのですけど、
あだち充漫画の最終回は、多種多様でどれもクオリティが高いです。
(通して読んだことがない作品の最終回も、それだけで味があります)
ミステリーのように最後に劇的な展開が待ってるオチも有り、
タイトル通りの落語的な風情のあるオチも有り、
中には「オチてない」ことを逆手にとって、オチにしてるような作品も有りです。

パターンを大きく分けるなら、「最終回そのものが変化球になっているもの」と、
「最終回はクライマックスか後日談として正統に成立しているも、
最後のコマで落とすか、読者に余韻を残させているもの」になります。
本書であだち充氏も、「4番を打つよりも、2,6,8番あたりで好きにやりたい」
と語ってるので、そういった「曲者」的面が強く解放されてるのかもしれません。

以下に、いくつかの作品の最終回について書きます。



タッチの最終回は、クライマックスを過ぎたあとの、いわば「後日談」ですね。
特に奇をてらったものではなく、穏やかなあだち充作品らしい日常で終わってます。
描かれなかった「甲子園」について、最後の1コマだけで物語るのが、
見事なオチになってます。タッチは、作品の人気が出過ぎたことで、
下手なことは出来なかったと、あだち充氏は語ってます。
あれだけの展開の末に、夢オチも考えたようですが、もしそれをやっていたら、
全く別の意味で、伝説の作品になってたかもしれませんね(笑)

H2の最終回は、通して読んだあだち充作品では最も心に残ってます。
見方によってはバッドエンドにも取れるから…とかそういうことよりも、
甲子園の決勝戦直前に、主人公の言葉がほとんどないまま、
物語がラジオの音声で終わるという描かれ方そのものが衝撃でした。
タッチで甲子園の話が描かれてなかったのと同様に、
H2の物語にとって「甲子園の決勝戦」は主題でないことの表れだと思いますが、
それにしてもおもいきった手法だと思います。だって甲子園の決勝なんて、
普通の漫画だったら、究極のクライマックスになりうる大舞台ですよ。
それを結果さえ見せず、かといって決勝戦を読者に想像させる意味でもなく、
物語からおざなりにして、登場人物の心理描写に置き、ラジオの音声で〆るとは…。
「ベスト」とは意味が違いますが、印象に残るという意味では、
私の読んだ漫画でも、屈指の最終回になってます。

KATSU!の最終回は、特に語ることはないのですが、作品について少し。
以前も書いた覚えがありますが、この作品は私が高校生だった頃とちょうど時期も被っていて、
学校帰りの電車を待つ時間、暇な時はサンデーを買って読んだりもして、
リアルタイムの思い出としては、あだち充漫画でも一番あるし、
紀本と岬の対決辺りまでは、かなりハマって読んでいたので思い入れもあるのですが、
後半の展開は、正直ついていけなかったので、最終回も流し読みな感じでした。
本書であだち充氏が語っている、連載中の事情を読んで、
なぜ後半がああなってしまったのかは納得しましたが、
前半が本当に面白くて好きだっただけに、やはり残念な気持ちは残ってますね。



最終回というのは、本来だったら漫画を通して読んでから、
それまでの過程を思い出しつつ、最後のとっておきの楽しむ、
あるいは終わることの切なさを感じるものであって、
いきなりオチだけ読むなんて、本来であれば愚行なのですが、
あだち充漫画の知名度と、最終回だけでも楽しめるオチが、本書を成立させています。
私は半分ぐらいは読んだことない作品があっても、どれも楽しめました。

あだち充作品を全く読んだことがない人が手にして読むのは、
ややハードルが高いですが、一つでも触れたことがある人は、
この最終回集を読んで、読んだことのない作品を通して読みたくなるかもしれません。
なので、あだち充漫画に何かしら、少しでも思い出のある方にオススメです。



最後に、今回の感想を元に、ブクログでのレビュー第1号も書いてみましたので、
そちらも載せておきます。(下記画像の「ブクログでレビューを見る」から飛べます)





「漫画」については、今後はブクログでのレビューにて紹介していきます。
本枠もまた来月、何らかの形で書ければと思います。

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