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※この物語はフィクションであり、登場する人物のキャラ設定は架空の物です。 序章1 ・・・なぜ、こんなことになってしまったのだろうか。 道を歩きながら彼女・・・いや、彼は考えていた。 クリス:(どうしよう・・・) インターネットという媒体では、基本的に相手の顔が見えることはない。 同時に、自分の顔、個人情報が相手に分かる事もない。 だから、その場で詐称をするのは簡単なことであるし、すぐにばれる可能性も低い。 当然、性別も。 クリス:(本当のことを知ったら怒っちゃうだろうしなあ・・・) 昔から、容姿が女の子と間違われることが多く、ネットでもふざけて装ったのが始まりだった。 昔からと言っても、クリスはまだ若干10歳であり、こうしてインターネットを駆使していること自体、 10年前にはとても考えられなかった現象である。 年齢は嘘偽り無く申告していたため、姿を見られても、すぐにばれない自信はある。 年齢的にも、わざわざ女の子らしい服装をする必要もなく、騙し通せる自信もあった。 こんな少年ですら、性別を偽り、対等の立場で、今回のイベントに参加するのだから、 古い考えをする人にとって、ネットというのは、黒船のような存在に思えるのも無理はない。 しかし、だからと言って、ばれるかもしれないリスクを背負ってまで行く必要はあるのか。 クリス:(ばれたら本気で謝るべきか、笑ってごまかすべきか・・・) 言うまでもないが、クリスの目的は合コンではない。 ただ、どうしてもあの人とは会ってみたかったのだ。 女の子を装っていた彼にとって、最も近く、親しく、実の姉のような彼女に。 近くまで母親の車で送ってもらったため、歩く距離はそう長くはなかった。 次の角を曲がれば、いよいよ「女の子」を始めなければならない。 クリスは、大きく深呼吸をした。 ・・・なぜ、こんなことになってしまったのだろうか。 タクシーに乗りながら彼女は考えていた。 サファイア:(た、タクシーに乗るなんて・・・何年ぶりかしら・・・) 運転手:お客さん、凄い格好だね。 お金持ちなんでしょ?いいな〜、羨ましいな〜。 サファイア:そ、そうよ。オホホホホ。 運転手:よかったら、お勘定少し弾んで下さいよ〜。なーんてね。ワハハ! ベタ過ぎる金持ちキャラを演じてはいるものの、 実際のところ、彼女は金持ちでも何でない、ただの苦学生だった。 ネット上で、セレブを演じてしまっていたため、無理をしてこんなことをしているのだ。 セレブが電車で向かうわけにはいかない。 どこかで参加者と乗り合わせてしまう可能性もゼロではない。 隣のあの子が実はあの子で、足なんかを踏まれて、バッタリ出くわし、 「あー、さっきの!」という、ありえないベタな出来事が起こらないとも限らないのだ。 現に、今頃どこかでは、それに類似する事が起こっている。それはまた別のお話であるが。 とにかく、そんな安っぽい見栄をはるために、こうしている。 サファイア:(あの子の前だけでは、安っぽい女に見られるのだけは避けなきゃ・・・) あの子とは、シュンペイのように意中の彼(彼女)というわけではない。 皆さんお気づきの通りの、あの「子」である。何のひねりもなく。 サファイアは、あの子に対し、ネット上で、随分お姉さんぶって接していた。 あの子も、それを望み、楽しんでくれているようで、嬉しかった。 サファイア:(本当だったら、こんなイベント参加するわけないけど、 あの子とはどうしても1度会いたかった) サファイアの脳内では、フリフリのスカートで、麦藁帽子をかぶり、 輝かしい笑顔で笑っている美少女のイメージが出来上がっていた。 サファイア:(早く会いたい・・・) 運転手:しっかし、あっついねえ! この暑さじゃ、おじさん家じゃパンツ一枚だよぉ〜。 かみさんに、「あんたの腹どうにかしなさいよ!」なんて言われちゃってね! 娘も10歳になるんだけど、「お父さんキラ〜イ!」だってさ。 寂しいもんですよ〜。ワッハッハ! いいなあ、お嬢さんのお宅は、全室クーラーなんかあったりするんでしょう!? サファイア:え・・・ええ・・・そ、そうね。 あまりに品のない話に閉口したものの、実際の彼女の家にはクーラーなどなく、 このおっさんの格好を馬鹿にもできない姿で、毎日を過ごしている自分を思い浮かべ、 意味も無く赤面してしまった。 運転手:もうすぐ着きますよぉ。あ、チップはたったの1000万でいいですからね! なーんちゃって、アッハッハ! この人が、彼女のお父さんではないことを、サファイアは願った。 ・・・なぜ、こんなことになってしまったのだろうか。 バイクで疾走しながら彼は考えていた。 ジョンソン:・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。 ひたすら考えていた。 ジョンソン:・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。 遮二無二、考えていた。 ジョンソン:・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。 考えていて、スピード違反で取り締まられた。 ジョンソン:・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。 警察官:こ、今回は見逃しますが、これからは、もう少し抑えて走って下さいよ。 (こ、こえー。なんだこいつ・・・。身長何mあるんだよ・・・。暴れ出さなきゃいいけど・・・) ジョンソン:・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。 目的地はもうすぐ。 以上が、これから始まる物語前の一幕である。 シュンペイの下心基、純粋な恋は実るのか? ナツミの抱える秘密とは何か? ブルームは最後まで、本当の自分を悟られずに済むのか? クリスは性別をごまかしきれるのか? サファイアは金持ちキャラを演じきれるのか? ジョンソンは喋るのか? 6者6様の思惑を胸に、合コンオフ会が始まる。 ラブコメになるのか、シリアスになるのか、ミステリーになるのか。 誰も知らない。筆者も知らない。そもそも合コンすら知らない。 そんなこんなで、はじまり、はじまり。 ※あとがき これにて序章という名目の、キャラや舞台設定は終わりまして、次回から本編に入ります。 今後の投稿日程につきましては、9月上・中旬ぐらいの投稿を始まりにし、 そこからは2週間に1回ぐらいのペースで投稿する予定です。 全何回になるか分かりませんが、今年中には終わるでしょう。 一応結末だけは既に考えてあるので、後は中身をどれだけ広げられるかですが・・・。 あんまりダラダラ長くするつもりはないですし、場合によっては、 打ち切り決定後の漫画のような、ハイテンポで進む可能性もありえます。 途中グダグダになる可能性も否めませんが、読んで頂ければ幸いです。 |
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